はたらく魔王さま! 5 / 和ケ原聡司

はたらく魔王さま! 5 (電撃文庫 わ 6-5)

はたらく魔王さま! 5 (電撃文庫 わ 6-5)

今回はマグド改装作業ではたらいていない魔王様がテレビを買ったりする話ということで、買い物先が新宿西口ヨドバ○カメラなのですが、はなま○うどんで昼を食べてからヨドバ○に向かうルートが脳内で正確に再現できすぎてなんだか微妙な気分になりました。あと新南口の高○屋→東急○ンズ→代々木のドコ○タワーとかも生活圏被りすぎてて本当にもうね!
それはひとまず置いておいて、今回は状況を整理しながら各陣営が少しずつ動いている、次に繋げる一冊というような話でした。天界というものがどのようなものかが垣間見えたり、ガブリエルのように思わせぶりなことを言うキャラクターがいたり、千穂がある人の力でまさかの大活躍であったり、いくつかの世界にまつわる謎が見えそうで見えないような展開。しかも魔王や勇者はその大きな話に完全に振り回されている形になっているので、読んでいてもどかしさを感じるところではありますが、それはこの先に期待ということかなと。
それから、相変わらず好感度の高いキャラクターたちの変化というのも面白いところ。芦屋と梨香の関係が意外な進展を見せていたり、漆原がやればできる子な所を見せていたり、自らの信念に従う鈴乃のストイックさだったり、相変わらず見事な母親っぷりを見せる恵美と完全にメインヒロインな千穂だったりとありますが、やっぱりこの巻で大きいのは恵美の考え方の変化なのかなと思います。
魔王が敵であるという出発点と、真奥という好青年とのある意味馴れ合いな関係。それでも彼がエンテ・イスラを侵攻し災厄をもたらした魔王であることは変わらないわけで、この作品の中で一番どう身を振るのかが難しい立ち位置にいる恵美なのですが、彼女自身の内的なところと外的なところでかなり揺さぶられている感じです。自分の芯の部分を外されて、そしてとりあえず目先のことを考えるというのは前進か後退か微妙な気もしますが、ここで折れられても読者として辛いので何とか折り合いをつけて欲しいところ。この辺りの答えの出辛いところは作品としてあまりにも真面目に向き合い過ぎているような気もしますが、その律儀さがこのシリーズの良い所でもあるのかなとか。ともあれ真奥と恵美の関係というのはこの作品の大きな軸であることは確かで、そこにはこの先ちゃんと答えを見せてくれるといいなとは思います。なんだかこのまま行くと、子は鎹を地で行きそうな気がしなくもありませんが!
あと、後半の千穂がもうどうやってもアルティメットま○かのビジュアルイメージでしか浮かんでこなくてどうしようかと! アルティメットちーちゃん……。