彼女を好きになる12の方法 / 入間人間

入間人間流の恋愛小説ということで、実に入間作品っぽいちょっとズレたバカップルがプラトニックにイチャイチャしているだけの小説、と言ってもあまり間違っていないような気がします。
大学2年生までなんとなく一緒にいる機会が多くて、でも付き合っているわけではなく、ただ一緒にいると心地よい関係な彼と彼女。三年生になった時、この先のことを考えて彼は思いました。自分は彼女を好きになる必要があるのではないかと……ってそう思った時点でお前もう彼女好きだから大概にせい、と突っ込んでも始まらないのですが、まあ大体そんなこんなで彼女を好きになろうと頭でっかちな彼が色々試しつつ、彼女と清く正しく過ごす一年間の物語になっています。
そして裏面、というか彼と彼女を客観化する視点のように、彼女が好きで好きで好きすぎて精神を病みそうなくらいの男の子(ただしある出来事があって彼女には嫌われている)の話があるのですが、これがもう救えなくてなんともはや。彼と彼女はこの男の子から見ればどう見てもただのバカップルで、それでも彼女が好きすぎてけれど避けられていて、彼の方は変な絡み方してくるしでなんとも。とりあえず人生負けるなそのうちいいことあるさでもストーカーはだめだよとしか言い様がない何かでした。
それはともかくとしてずっと一緒にいて彼女は彼の家に頻繁に遊びに来るにも関わらず、ひたすら恋人未満なイチャイチャ関係を続ける彼と彼女にも一年あれば微妙な(本当に微妙な)進展もあったりする感じで、ああもう最後まで爆発しろだったなという感じの一冊。話として面白かったかと言われると若干首を傾げますが、このちょっと変人入った彼女がやたらと可愛いかったのでいいかなと。すき焼きとかプールとか、なんかもうね!
そしてネタバレっぽくなりますが、この台詞が最強でした。

ちゃっちゃと好きにしてあげるから。それでいいんでしょ?

末永くお幸せに爆発しろ!