STEINS;GATE 比翼恋理のアンダーリン 3 / 5pb×ニトロプラス・海羽超史郎

血を見るようなシリアスとゆるゆるのラブコメが隣り合わせに共存して、チャーハンの上にカレーをかけたみたいになっている一冊でした。ついでにハンバーグあたりも乗せている感じ。
そんな訳でゲーム比翼恋理のダーリンノベライズだと思って読んだら、その世界線とドラマCD暗黒次元のハイドの世界線が隣り合わせで不確定となる世界のお話だったという。ドキッ水着だらけのプール回とドキッタイムリーパーだらけのシリアス展開が間髪入れずに共存するのはさすがに読んでいて目眩がするものはあります。 そしてどちらの背景もちゃんと知った上で読まないと難解というか、理解が届かない作りでもあって、正直内容もよく分かったとも言い難く……。
とは言ってもなんだか幸せそうに青春するこのラボメンたちの姿は何だかんだ楽しく読めるものはあって、なんだよオカリンしっかりリア充じゃんと思っていたら、最後の展開が! 完全なるまゆりルートのお話は、もう良いからお前ら早く結婚しろとしか言い様がないレベルで。円環連鎖を読んでやっぱりクリスだなあと思っていたことなどすっかり忘れて、オカリンはずっとまゆしぃの隣にいてあげるべきだし、この二人は一緒にならないとおかしい! と思わずハイマダムたちとシンクロしてしまうようなベタ甘展開が素晴らしかったです。
そんなこんななカロリー過多の物語を、最後の最後できっちり一本にまとめきる豪腕ぶり。シリアスな部分とラブな部分を収拾して、しかもシュタインズ・ゲートという一連の作品のひとつのパートであることを意識しながら、円環連鎖のウロボロスへと繋いでみせる辺りは凄いものがありました。何だかんだ言っても、分からないなりに楽しく読めたシリーズだったと思います。