スピリットサークル 1 / 水上悟志

スピリットサークル 01―魂環 (ヤングキングコミックス)

スピリットサークル 01―魂環 (ヤングキングコミックス)

転校生の少女に突然「生まれ変わりって信じる?」と聞かれて殴られた、中学二年生の風太。そこから始まる、7回の生まれ変わりを巡る物語。極普通の中学生である風太にとって理不尽でしか無い鉱子の言葉と行動。けれど見てしまった最初の生、見えてしまった謎の存在。憎まれる云われがないと思っていたところから、どうしてそんなにも憎まれるのかを解き明かすかのように追体験する前世の記憶。それ自体も物語として面白いのですが、繰り返し姿を変え登場する人物たちの間で、ゆっくりと確実に因果が束ねられて太くなっていく様子が面白いです。まだ触りだけでも、どうしようもなく繰り返す何か、でることは凄く伝わってくるかのようで。たぶんそれが、現世での二人の間の認識の圧倒的な溝を作る何かでもあって。
どうしようもない繰り返しの果てに出口があるのか、この生もまた死を持って次の生に続くだけなのか、そして語らないイーストとルンは何者なのか、たくさんの謎を抱えたまま、まずは物語は動き出したという感じ。そのトリッキーな語り口に非常に惹きつけられる、続きが非常に楽しみな作品です。面白かった!