四月は君の嘘 1 / 新川直司

四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

ピアノを弾けなくなった天才少年が、奔放なヴァイオリニストの少女と出会う物語。
重すぎる母親の期待を一身に受けて、それでも天才の呼び声をほしいままにしていた幼少期。在る時、突然奪われたピアノの音、弾けなくなった自分。それを引きずりながら過ごしてきた中学生の公生が出会ったのが、ヴァイオリニストの少女、宮園かをり。正しさを求められるコンクールで、楽しく自分の演奏をしてしまうような彼女に引っ張られるように、彼の歯車がまた回り始めて、という導入に当たる一巻ですが、これが非常に良かったです。背負ったものも、抱え込んだものもたくさんありそうで、けれど作品としては必要以上の影がない、ここからもう一度、しっかりと前に進んでいくこの感じ。そして音楽と青春とボーイ・ミーツ・ガール。すっきりとして魅力的な絵。ちょっと話が唐突に感じるところもあったのですが、それがどうでも良くなるくらいに魅力に溢れた一冊でした。早く続きを買ってこないと……。