てるみな 1 / kashmir

てるみな 1―東京猫耳巡礼記

てるみな 1―東京猫耳巡礼記

ネコミミ、幼女、電車、昭和、幻想世界、線路は続くよどこまでも。圧倒的カオスに彩られたこれまででも一番濃いkashimrワールドの炸裂する一冊。まず、1ページ目から狂気しか感じない。これはやばいものを開いてしまったと思いつつも、思わずページを捲ってしまう引力のあるマンガでした。
他の作品でも見せていた、一瞬静かになった先に見える幻想的な何か、みたいなものが、オタエログロレトロ幼女電車みたいなごった煮感で迫ってくる感じ。現実に存在する電車の昔々の話と思わせて、線路が続く先はどこか知らない世界。なまじとっかかりが現実で自然にウソが混ざっていくものだから、思わずネコミミ幼女と一緒に遠い世界に連れて行かれそうになる。千と千尋やポニョ的なジブリちっくな感覚をもっと下衆にしたような気もすれば、高度な幻想SFと見せかけつつオチが適当だったりな気もするけれど、ただまあ要は作者の頭の中がこうなっているだけなのだろうとも思います。こうなってる頭の中とか一体どういうことなんだと思いますが。斜め上どころじゃ無い発想の飛び方も、やたら細かく描き込まれた絵も、垣間見える鉄道愛も、酔いそうなくらいひたすらに濃い一冊でした。頭おかしい。好き。