四月は君の嘘 9 / 新川直司

凪の学園祭。公正との連弾。それぞれの想い、それぞれの音。これは本当に凄かったとしか。
兄への想い、公正への想い、本気で向き合ったピアノ、押しつぶされそうなプレッシャー、舞台に立つ覚悟、その先に見える景色。小さな彼女の放つ美しくて苛烈な感情の奔流が、音のないマンガという媒体で、ピアノから奏でられる音と一緒になって押し寄せるような、そんな感覚。それは今まさに成長する彼女の物語でもあり、武士の物語であり、一歩踏み出した公正の物語でもあり、そしてかをりに届かせる物語でもあって。読んでいる最中に涙が止まらなくなるくらいに、素晴らしいものであったと思います。やっぱりこの作品はすごいなと、改めて思いました。