やさしいセカイのつくりかた 6 / 竹葉久美子

完結。
何はともあれ、悠が、葵が、ハルカが、冬子が、ちゃんと区切りをつけて、前を向いて歩みだしてくれたことがとても嬉しい気持ちになれる、そういう最終巻でした。特に、ギフテッドとして生まれその才能を親に気味悪がられたことで歪に縮こまってしまっていた葵が、その鎖を自ら振り切ったこと、彼女が救われたということが、ここまで読んできて本当に良かったなあと。そういう気持ちになる辺り、このキャラクターたちは愛すべき存在であったのだなと思います。
シリーズ通して少女漫画的な生っぽさと電撃的な萌えっぽさの絶妙なバランス、みたいな印象が強かったかなあと思う作品。恋愛関係周りは結構きわどいラインを攻めつつもどこか柔らかくて爽やかな印象の残る素敵な作品だったと思います。