アイドルマスター シンデレラガールズ #15

これは2期の1話というかあくまでも14話なんだろうなあという先週の話から、2期が描こうとしてるものがちょっと見えてきたのかなと思う15話だったのでちょっとメモを。


シンデレラプロジェクトが倉庫のような部屋に押しやられて掃除をするシーンからシンデレラというモチーフがくっきり見えてきて、美城常務はまさに意地悪な継母のポジションのキャラクターとして描かれているのですが。ただこの人はこの人で長期的な展望に基いてビジネスしているだけなんだろうなあとも。視聴者的には346のアイドル事業部が置かれてる外的要因は見えないので、軌道に乗り始めたCPに理不尽を強いる存在に見える訳ですが、もしかしたら事業として上手くいっていないのかもしれないしまあその辺りはなんとも、という感じ。ただ意地悪な継母とがんばるアイドルたち、だと物語的にはスッキリして面白いというのはあるのかも。そんなスッキリした仕立てをしてくるアニメには思えないので何かあるような気はしますが。


そういう構図の中で今までになかった価値観として出てくるのが、美城常務の優秀なアイドルをピックして大きく売りだそうというやり方。競争させて、選抜して、より大きな舞台へ、より大きな人気へ、より大きな収益へみたいな。だとすれば、今のプロジェクトを解体することでアイドルたちに影響が出るのは当然として、それを逆にチャンスだとして上を目指して這い上がってくる子以外はそもそも必要ない、位のことは考えていてもおかしくはないかなと。
ただ、その価値観って要は「矢吹可奈を切り捨てる価値観」なわけで。それは天海春香の選んだ修羅の道とはまた別の修羅の道で、映画で765プロには否定されたものだと思うのです。だとすると、そういう分かりやすい価値基準に直面して、順風満帆だったCPが躓いた後、一体どういう答えをそこに返していくのか。それは彼女たちと武内Pにとって「アイドルとは何か」を問われるものに違いなくて。やはりアイマスであるからには「これがアイドルの理想像」とまで謳ったあの映画と同じ所へ向かっていくのか、それとも全く別の答えを見せてくれるのか。
それが彼女たちにとって魔法の解ける12時の向こう側であって、15話はもうその向こう側にいる高垣楓が「ファンと共に笑顔で進む」という別の価値観を美城常務に対して啖呵を切ってみせた。そして16話は予告からすると恐らく、カフェでバイトをするような境遇にある安部菜々の答えが見られるのかなと。そういう先輩たちの姿を見て、CPの子たちが何を考えて、どこを目指していくのかがとても楽しみです。だってOPで「探してたのは12時過ぎの魔法」と歌って、その先に走りだそうとしているんだから期待するでしょ! っていう。


あとは、その中でやっぱり空っぽに見える、こんな状況でも「レッスン頑張ります」としか言わない島村卯月という子が一体何を見て、何を考えて、何を信じて走りだすのかが描かれたら、それはとても嬉しいなと。そしてそれが彼女自身の笑顔の魔法であるのなら尚更。だってShine!! のあの歌詞で、卯月がセンターならそうじゃなくちゃ嘘だって信じてます。