2015年に触れた10の沼

身の回りにいる様々な人を鑑みるに、あれもこれもと手を出す割に人生傾くほどどっぷりと行かない私ごときが沼に沈んだなどと言うのはおこがましいと思いまして、今回は2015年に触れた10の沼ということで去年に引き続きのものと今年からのもの含め1年間ハマっていたものの振り返りと紹介をしてみようと。

1.アイドルマスター シンデレラガールズ

ついに放送が始まったアニメ。それに連動した各イベント、CDの発売、デレステの配信開始、そして集大成となる幕張3rdライブ。2015年はシンデレラガールズの年だったと思うし、2015年に自分が一番ハマっていたものをあげるならデレマスになるのだろうと思います。
毎週毎週どうなるのかとドキドキしながら待機して、新しくキャラに声がついたら大騒ぎして、放送が終われば深夜まであーだこーだと言って、特番で延期すればなんでだよと思い、NO MAKEを聞いてどうしてこれが本編で……と嘆く。思い返せばひとつのアニメにこんなに振り回されるというのは今までの人生でもなかなかない体験だったかと。中身は色々ありはしますが、シンデレラガールズに至る物語としてとても納得の行くものでしたし、特に1話の素晴らしさは特筆すべきものがあったと思います。
そしてそれを受けての幕張3rdが素晴らしかったです。ストーリー性とエンタメ性。シンデレラガールズのライブというのはこういうものなんだというものを見せてもらえた2daysでした。

2.大橋彩香

ENERGY☆SMILE(彩香盤)(DVD付)

ENERGY☆SMILE(彩香盤)(DVD付)

へごがですね、好きなんですよね。この一年でだんだん好きになっていて危ない。あのやたらモノマネされている「へごる」と呼ばれる濁点混じりの喋り方がとても好きです。ぴにゃの鳴き声とか至高かと。あとこの人、とてもとてもダメな人なのですが、そのダメさ加減が困ったことにとても親しみがもてる感じなのがよくない。外向きでいる時はしっかりして真面目にできる人なのに、気を抜いた瞬間からのオタクでワガママでポンコツでぐにゃーとした感じへの落差。イケメン、ペペロン、抱きまくらは花嫁修業。言っていることの「あなたそれはちょっと……」みたいな内容を、愛嬌だけでねじ伏せていくアンバランスさが癖になります。
それでいて、歌い出すと本当に別人みたいな魅力があるギャップが。音程、リズムの正確さと圧倒的な声量と伸びからくるちょっとびっくりする安定感。笑顔はじけるステージング。特にアニサマのへごは凄かった。上手いけれど巧くはないというか、とにかく正確だけど感情が表に出ない、情念こもった感じにはならないのが物足りなさでもあり、伸びしろの部分でもあると思うので、どう成長していくのかこれからが本当に楽しみです。

3.グランブルーファンタジー

グランブルーファンタジー・クロニクル vol.00

グランブルーファンタジー・クロニクル vol.00

このゲーム、手を出しちゃダメだと思っていたのですよ。明らかに危険だと。それでデレマスのコラボ第1弾、第2弾でもスルーしていたのですが、第3弾で杏が来たのでもうしょうがなかったですよね。
Twitterを見ていると新キャラ登場のたびにガチャを回すゲームのように見えるのですが、ポチポチしていれば良いゲームではなくて、完全なやりこみゲーです。それも昔気質の、攻略本の細かい数値見ながらああでもないこうでもないとやっていくようなタイプの。パーティー編成、アビリティ、武器構成、召喚獣構成等、制約の中での組合せがとても複雑かつどこかでバランスを取らねばならず、単純に強いキャラを引けば全部なんとかなるわけではないというのがポイント。ダメージ計算式とか複雑過ぎてゲーム始めて半年くらいなんのこっちゃわからないというレベルなので。
そんな感じの上、これ何時間かかるんだよというエンドコンテンツも多数搭載され、やりこみは果てしなくネトゲレベルで時間を奪っていく危険なゲームではありますが、中級者は中級者の、私のような初心者は初心者の楽しみ方ができるのも良い所だと思います。
あとキャラ絵の良さと声優の豪華さと趣味としか思えないタイアップとサイゲから溢れ出るお金の力はもう単純に追いかけていて楽しいと思えるので(グランサイファーがTGSで空飛んだりするし)、これから来るビッグウェーブに乗っていきたい人は早めに手を出すといいと思います。アニメも予定されてますし!

4.ZAQ

トゥッティ!

トゥッティ!

作品に寄り添いすぎるほど寄り添ったタイアップ曲に、ちょっと変な方向に攻めるオリジナル曲、そしてZAQらしさはそのままに作品やキャラクターを活かす提供曲。楽曲の幅の広さ、癖の強さと両立するくどいくらいのキャッチーさ。『トゥッティ』や『僕たちはひとつの光』を聞いて、今年もこの人天才だなあと思っておりました。
そしてライブがですね、めちゃくちゃ楽しいんですよ。しっとりとしたピアノ弾き語りやセルフカバーもはさみつつ、アッパーな曲で畳み掛けていく構成。やたらと演奏が上手いバンド陣。そしてガンガン盛り上げてくるZAQに、フックの強い曲が相まって本当にただただ楽しい。
楽曲提供の仕事も多い人なのでライブがこれからどんなペースで行われるかわからないのですが、今年のツアー東京公演はこの楽しさを是非一度みんなに味わってもらいたいと思うライブでした。

5.Sound Horizon

10周年に8thをとばして繰り出された第9の地平線『Nein』。ローラン歴が長ければ長いほど死に至るというかいや本当にね、それを! 公式が! やるのかと!!
そんな公式二次創作。過去の地平線を「否定」することで生まれる別の解釈への観測可能性。深読みこそ楽しみ方な「物語音楽」であるサンホラにおいて、それはヤバいでしょう。あの『StarDust』を「Nein」してこの『憎しみを花束に代えて』が生まれてくるとか自由すぎるでしょう。そして、解釈が自由であることをつきつけられた中で始まるノベライズやコミカライズという解釈の多様性はローランへの挑戦状なのでしょう。十文字エリ組やばかったし遊生丸Moira始まるしもう。
受けて立ってそして死ぬ未来しか見えない、2015年も陛下は陛下でありました。きっと2016年もあの王様はあの王様なのでしょう。8thが待ち遠しい……!

6.ラブライブ!

二期アニメを受けて声優によるアイドルキャラクターユニットの限界点に挑んだかのようなSSAの2days。演出、衣装、パフォーマンスすべての面で、普通に考えたらありえないはずのものを見せてもらえて度肝を抜かれたのですが、μ'sの2015年はまだそこからでした。
終わらせてもらえなかったアニメ二期をもう一度終わらせるための劇場版。μ'sが大人気になった世界でもう一度問われる続けるかという問いに、スクールアイドルであることという明確な答えを示して後進に道を作り譲っていくそれが、プチ社会現象と化した現実にリンクしていく様。
ファンミのテンション振り切れそうなお祭りモード、びっくりするような興行収入を上げる映画に、年末にかけてのNHK大プッシュからのMステ、そして紅白歌合戦への出演へ。空前のブームとなりながら発表される東京ドームでのファイナルライブ。こんな筋書き、「みんなで叶える物語」のたどり着いた『それは僕たちの奇跡』以外の何モノでもなくて、コンテンツと現実が声優とキャラクターを≒で結んでリンクする、現在進行形で後にも先にも得難い体験をさせてもらえるのだと思います。あとは3/31・4/1に、辿り着いた場所で最後に何が見られるのか、楽しみです。

7.分島花音

ツキナミ

ツキナミ

一昨年『killy killy JOKER』が良いなと思って聴き始めた分島花音。2015年は発売されたアルバム『ツキナミ』が本当に良かったです。アニソンらしいキャッチーさと、マニアックでサブカルっぽさのバランスがとても良くて、2015年に一番聞いたアルバムのひとつになりました。
そして、アルバムが良かったのでと足を運んだTSUKINAMIC東京公演。小さなライブハウスで、落ち着いた空気の中にバンドとチェロを弾き歌う彼女がいるあの空間が素晴らしかったです。アニサマ等の大きなフェスでのパフォーマンスもありましたが、やっぱりこの人は分島花音の空間に招かれたようなあの小さな箱の雰囲気が魅力なんじゃないかなと。そんな訳で少し規模は大きくなるのですが、2016年のツアーが今からとても楽しみにしています。

8.てさぐれ! 部活もの

2015年はスピンオフ、ということでシャルムメンバー5名を加えてのシャッフル構成で。てさ部の4人のバランスが完璧だと思うだけにどうかと思うところも正直ありましたが、新しい組み合わせが生み出す化学反応もありやっぱりてさ部面白いなと思いました。荻野可鈴vs上坂すみれの1対1とか、学生生活では決して交わることのなかった階層の二人による中々お目にかかれないジャブの打ち合いが最高だったと思います。
そして、ロケにアニメをつけたり、人狼にアニメをつけたり、大喜利大会にアニメをつけたりと、もうこれはアニメじゃなくていいのでは……? と思っていたら2016年にはついに実写ロケ番組が。ついに声優バラエティ番組(最初から?)と化した感もありますが、あの4人で面白くならないわけがなく、これはこれで楽しみです。あと2015年も暴走に暴走を重ねていく西明日香荻野可鈴のニコ生の破壊力たるや!

9.プロ野球

今年も野球を見ながらTwitterで実況したりと楽しくシーズンを過ごさせていただきました。そして「れい&ゆいの文化放送ホームランラジオ」という実質アイマスでありながら、ヤクルトファンと阪神ファンのパーソナリティがひたすら煽り合う畜生野球ラジオが始まったことによって、こちら側で野球がとても盛り上がっている感じがして凄く楽しかったなあと。日シリテレビ中継で夏祭りを熱唱するちなヤクおばさんがカメラにぶち抜かれるあのラジオの持っている感じと、悪ノリすれすれで駆け抜ける勢いに乗っている感はなかなかないものだと思います。アイマス10th西武ドームで二人がコラボして『Super Lover』を歌い出した時の会場の「(笑)」みたいな空気は忘れがたい。
2015年の阪神タイガースはまあ、春頃の今年はもうダメだ感から、もしかして行けるんじゃと思った夏、そしてやっぱり失速した秋と、高齢化した今のチームの頑張りと限界が見えた1年だったのかなあと。金本新体制は使い尽くした感のある戦力の再整備から始まるので結果に期待はできないと思いますが、これまでと違うチームの可能性が見れると良いなと思います。

10.新日本プロレス

アニメでのCM大量投下に興味を持ち、「新日本プロレスワールド」という配信サービスが始まって、1・4ドームが見たくて加入したらそのまま1年間見続けていたというブシロードの戦略のモデルケースに乗ったかのような2015年。
プロレスは昔三沢や小橋全盛期のノアや武藤がいた頃の新日を見ていたくらいだったのですが、1/4の中邑vs飯伏のような試合は単純にぶっ飛んでいて見ていても面白いし、そこに展開される物語の作り方とその表現者としてのレスラーというのが凄く面白いなあと思ってみていました。大まかな筋はあるのだけどそ試合は本気というか、こちらも本気で応援しながら見る視点と、一歩ひいて全体の構成を俯瞰する視点が混在するのが面白いです。単に強いとか弱いとかじゃなくて、あのリングで一体何を見せるのか、表現者としての技量や覚悟を含めた全て、あり方自体が問われている感じがとても興味深い。というか多分、声優がアイドルのキャラクターを演っているライブを見ているのと同じ感覚で私はあれを見ているのだろうなあと。
あと新日ではないですが天龍引退興行は、プロレスって単純に身体能力の高い人が戦えばいいものじゃないのだなとその深淵をちら見した気分になりました。あの試合内容の振り幅とそこにある物語密度の高さはちょっと衝撃的で。

その他

そんな感じで2015年もいろいろな沼をちら見して生きてきましたが、それ以外で面白かったものやはまっていたものを、本/マンガは別エントリにするとしてそれ以外で。
ライブではオタクの生きてきた歴史が走馬灯のように襲ってきたキンスパ2daysと血を入れ替えても最先端であり最高峰であることを示したアニサマの2つのアニソンフェスが印象的。アニサマアイマス×ラブライブはもうあの時にあの場でしか実現しないプレミアムだったと思います。そしてアイマスだとやっぱり「ドーム」でやった10thは積み重ねてきたものをぶつけきるようなライブで凄かった、しかし西武ドームは暑かった。それから未来へ向かうという意味では、ミリオン2ndとSideM1stはとんでもなく素晴らしかったので2016年以降も動向が気になります。そしてライブパフォーマンスという意味ではロデオフェスで見た宮野真守の抜群の華。あれはスターだと思いました。それからライブでは武道館という節目を経たKalafinaのツアーが、「聴かせる」だけでなく「魅せる」ものに進化していてびっくり。今までに一度見たという人でもあれは見る価値があります。今のKalafinaは凄いぞ。
相変わらずちょいちょい見ていたアニメ/映画では、ガルパンの劇場版がなんの誇張もなく「ガルパンはいいぞ」以外言葉が出なくなるような素晴らしいエンタメ作品でした。TVアニメはSB69の勢いと楽曲の良さ、シンフォギアGX1話冒頭6分の中毒性、落第騎士のやりたいことをやりきった充実感、ラスト1話で予想外の斜め上へ突き抜けたうたプリ3期が印象的。あと完成度という意味では「四月は君の嘘」「純潔のマリア」「血界戦線」はとても良かったと思います。それからショートアニメは突き抜けすぎる作品が多くて、衝撃のFlashアニメで幕を開けた「ニンジャスレイヤー」や、やりたい放題の極地だった「ハッカドール」、キャッチーな狂気で一瞬を駆け抜ける「弱酸性ミリオンアーサー」がエッジを攻めていてとても好きです。あとガンダムを題材に岡田麿里が炸裂する宇宙任侠アニメ鉄血のオルフェンズはこの先の展開もとても楽しみ。
声優ラジオは相変わらずちょいちょい聞いてますが、洲崎西のはずさない面白さは凄いなと。ただ最近ドン引きすれすれのレベルで下品で大丈夫かと思いますが。そして西明日香ソロで始まったデリラジはまず「西明日香のデリケートゾーン」というタイトルから頭おかしかったですが、中身はさらに攻めていて面白いです。あの人声優じゃなくてもう喋りが仕事の人なんじゃ……。
ここまでで触れていないアニソン関連では可愛くてオシャレで詩にゾワッと来るデレマスの一ノ瀬志希『秘密のトワレ』が素晴らしかったです。同じくアイマスではSideM、S.E.M『Study Equal Magic』のテンション振りきれた楽しさや完全にWinkを意識してきたデレマスのラブライカ『Memories』が素晴らしかったなと。あとやっぱりUNISON SQUARE GARDENシュガーソングとビターステップ』は2015年を代表する曲だと思います。それからキャロルのキャラソン『殲琴・ダウルダヴラ』で水瀬いのりがこんなに歌えるのかとびっくりしていたら歌手デビューが決まって納得。新人ではさユりミカヅキ』が情念系女性シンガーの匂いがしてとても好きです。ソシャゲ系ではゲーム自体のリリースは延期していますが「バンドやろうぜ!」の4曲がどれもびっくりするクオリティで本気を感じるので今後が楽しみ。最後にアルバムで内田真礼『PENKI』がもう絶対に生バンドでライブで聞きたいと思わせる仕上がりだったので、1stライブの抽選が当たることを神に祈っております。