はるかなレシーブ 1-6 / 如意自在

 

 アニメの出来が大変に素晴らしかったので原作も。

沖縄の空! 青い海! 白い砂浜! 水着! みたいな爽やかさと華やかさときらら作品らしい可愛らしさはあるのですが、そこに惹かれて読み始めればビーチバレーを題材にしたスポ根っぷりにぐいぐいと引っ張られていく感じの作品。

主人公ペアにも、仲間にも、試合相手にもそれぞれの過去があって、それぞれの現在があって、絶対負けられない闘いをしているという中で、お互いの気持ちと技がぶつかりあうのがめっちゃ熱いです。きらら作品というと日常系というイメージがあるのですが、初心者から積み重ねた努力、巡り合った仲間たちとの絆、回想を交えた試合描写と全部入りの王道を行くスポーツものになっていて、いい意味で予想を裏切られます。はるかの素直さ前向きさと適度なアホさ、吸収の速さと恵まれた体格、運動神経はまさに主人公という感じで、それを支えるかなたが身長が伸びずにかつて挫折した経験者というのも、非常に良いなと。

そしてきららといえば百合ということで、活きてくるのがペアでやるスポーツだということ。複数人のチームでもなければ、一人での勝負でもない、コートにたった二人だけの味方。だから彼女たちはお互いが最高に信頼できるただ一人のパートナーでなければいけない。その関係をあからさまに百合で読み替えているような、信頼関係として描いているようなギリギリのラインを攻めながら、裏切ってしまった元カノとの関係だとかかつて破れたライバルだとか重い感情が交錯して、それがまたお互いの譲れない気持ちとして試合で爆発するのがこう、たまらないものがね、ありますよね。

アニメのクライマックスにもなった5巻の沖縄地区予選決勝、はるかなvsエクレアが最後の最後にそれで決まるのって感じで本当に最高だったのですが、6巻の全国大会編に入っても勢いも感情の重さも全く落ちないまま進んでいきそうで、この先も楽しみになる作品でした。

あと、ビーチバレーって本当にこんな水着着てるの? と思って調べたら割と着ていたので、ちょっと汚れていたのは私の心でしたね……。