【マンガ感想】虚構推理 13 / 城平京・片瀬茶柴

 

「人間と妖怪には違いがありいつまでもうまくはいきません。

それでも蜜月の時はあります。

そして短くとも、蜜月は他の何物にも代え難いでしょう」 

 なるほどおひいさま的にはその関係はありなのねという雪女編完結。そして室井さんが将来凍死したという記事を見ても驚かないというのが実におひいさまらしい。

そう言えば、おひいさまは妖怪と人間の調停者である前に、妖怪たちの知恵の神だったなと再確認する話でもありました。この結末、雪女の悩み事以外は何も解決していない……! いやこの作品はいつもそうなんだけど……!!

しかし雪女は大変に魅力的で気立て良く可愛く、そのパワーで全てを押し切られた感じもあるお話でした。絵の力もとても大きかったです。長くはないだろう蜜月、お幸せに。

1話完結の『よく考えると怖くないでもない話』は九郎先輩が曰く付きの館の片付けのバイトを手伝う話。バイト先の人たちから見ると、九郎先輩の体質が理由で幽霊たちが逃げ出していたらそれこそ不気味だよなと思っていたら……という流れで、捻ったところからスタートして更に捻りを加えて着地しながら、真実は身も蓋もないというのが実にらしいお話。前にあった、おひいさまが鰻重を食べてるだけで事件が解決した話に通じるものがあり、こういうのもこのシリーズに特徴的な話で好きです。