悪魔の孤独と水銀糖の少女 2 / 紅玉いづき

 

悪魔の孤独と水銀糖の少女II (電撃文庫)

悪魔の孤独と水銀糖の少女II (電撃文庫)

 

 最大のポイントは、あとがきでも語られている通り、物語の続きが描かれたということなのだと思います。

呪われた島で出会った悪魔を背負う男と愛玩人形の少女の物語は綺麗に終わっていて、たとえ最後まで逃げ続けるとしても、時代の流れに消えゆく異端である2人の行方は誰も知らないでも美しかったと思うのです。それでも、島を出た先の彼と彼女の物語は描かれなければならなかった。

そう思って読んで見れば、だってヨクサルとシュガーリアがそんな美しい滅びを選ぶ訳がないだなんて分かっていたことじゃないかという気がしてくるから不思議で。

愛される人形である少女として、愛させる人形である少女として、いつかの日まで逃げ続けるのではない。お互いへの感情を何度も重ねていくことで、その関係は、その在り方は形を変えて行く。それはまさに未来を描くということであり、つまりは生きるということの物語だったのだと思います。

そしてそこで描かれるのが、これまでの愛にまつわる話から、恋することの物語になっていくというのが、普通に生きることから外れた者たちのはずなのに、確かに生身の感触があって。観念でもない、幻想ではない、今ここに生きる、最後まで生きるというのが、この2人が選び取ったものであり、だからこの物語は書かれなければならなかったのだと感じました。

あと、やっぱりシュガーリアの、こう、色々なものを煮詰めたような感じが好きだなと。名乗りを上げるシーンは最高に格好良かったです。