【ライブ感想】少女☆歌劇レヴュースタァライト 3rdスタァライブ“Starry Diamond” 11/3 @ 横浜アリーナ

 

 第1部がスタァライト九九組のライブ、第二部はスタリラに登場する各校が出演して「ラ・レヴュー・エターナル」のレヴューライブも披露するという二部構成のライブ。スタァライトという作品がやりたいことはこれだっていうのが、今までの活動を踏まえてしっかりと形になりながら世界が広がっていて、素晴らしいライブだったと思います。めっちゃ良かった。

第1部は内容はいつも通りで、今までより更に完成度の上がった九九組のライブ。演劇的な味付けがあって、あちらこちらでキャラの絡みがあるのがやっぱり魅力だなと思ったり、舞台の綺羅びやかな感じが多幸感あるなと思いました。そしてあれだけ歌って踊りながら1時間半をMC無しの全力で駆け抜けたのは凄かった。

ただ、それはまあ良くて、何がヤバかったって神楽ひかりが出ていないっていうこと。1曲目が始まって、ひかりがいないことで愛城華恋の相手役がすべて露崎まひるになるって気付いた瞬間に真顔になりました。そこから始まるのが、ありえないはずだったまひかれの世界なんですよ。まひるが凄い幸せそうな顔して華恋と歌っているのがちょっと言葉にならない。とにかくこの日、主役の位置には華恋とまひるがいたし、なんか2人でハート作ってたし。

あーこれがひかりが転校してこなかった世界なんだなとか、ひかりが削劇された世界なんだなとか思って見ていたのですが、終盤にサプライズでひかりが出てきて、そこからかれひかの世界に戻っていくの、もうあんまりに露崎まひるじゃないですか。華恋とひかりは運命だから、ななに再演が許されなかったように、まひるにそれは許されない。春は短くて、現実は非情で、華恋の隣にはひかりがいる。それでも、アニメで華恋だけを見ていたまひるの口上は、この日の第2部で「みんなで」に変わっていたんですよ。2人ではなく、この9人で、大好きな野球とかけて、しまっていこう! って。まひるは愛城華恋が好きだけど、九九組の全員を、もちろん神楽ひかりのことも好きで、そんな露崎まひるが全てこのライブに詰まっていて、まひる推しとしては言葉がなかったです。やばかった。この日の岩田さんのまひるは最高だった。

いやまあ、現実的な話をすれば三森すずこのスケジュールが取れなかったからなのは分かっていますが、でもそういうストーリーが浮かび上がるのが舞台上であり、それこそがスタァライトなんですよね。予測できなかったハプニングすら、そこに輝きを生むのであれば全て正しい。最後の三森すずこの挨拶に、誰ひとり欠けてはいけないという歌詞を歌うために、残りのメンバーがどうしてもとお願いをして終盤だけでも出てもらったというエピソードに観客が涙するのであれば、それが正しいのです。

そして第2部は各校の出演者が曲を披露して、そこからレヴューライブ。このレヴューライブ、ミュージカルの曲の部分だけを取り出して、それで物語を作るもので、事前にCDが出ているけど細かいところはライブで見るまではわからないというもの。要はだいたいサンホラのストコンみたいなもので、楽曲に物語を載せる形式が嫌いなわけがないんだよなあっていう。これはコンテンツとしてのスタァライトの特質で強みだと思うので、次のライブでもやって欲しいなと思います。

レヴューライブの中では「裏切りのクレタ」がああいう話だったのかっていう驚きがありました。真矢様とななのペアとか聖翔の最大戦力じゃんとか思っていたら、まさかの真矢様vsななを見ることができるとは。なるほどだから「裏切り」。そしてやっぱ闘っている時、絶対的強者である時の真矢様は本当にカッコよくて素晴らしいと思いました。そしてその空気を変えられるのがまひるの「1等星のプロキオン」。頂点は1人だけという哲学に対して、まったく逆のアプローチでポジションゼロを決めるレヴューは、でもこれがまひるの闘いなんだよなって。

そして聖翔の全勝で終わったレヴューライブのあとに「Star Diamond」でなるほどなあと。単品で聞いていた時とちょっと聞こえ方が変わってくることに、そりゃあフェスでこの曲を先に歌う訳にいかなかったのだと納得しました。

初登場組では、凜明館が雰囲気がばっちり合っていてとても良かったですし、今後の活動にも期待したいところ。今後と言えば、おそらくただの総集編にはならないだろう再生産ver.と完全新作の劇場版が発表されてとても楽しみ。スタァライト、まだまだ楽しんでいける作品になりそうです。