【マンガ感想】まちカドまぞく 6 / 伊藤いづも

 

 5巻まで伏線回収と当初からは予想もつかなかった多くの事実と展開で凄かったのですが、よく考えたらこの街で過去に起きたことは何も明らかになっていなかったなと思い知らされた最新巻。相変わらずきらら4コマらしからぬ設定の詰まり具合と情報の出し方がすごい。

いやしかし……これは思った以上に壮絶な過去が、しかもスイカの話だけでうわあとなっていたところに、桃自身の記憶からも封印された過去の二段構えは唸るしか無い。ロシア語? の台詞の意味はわからなかったのですが、何らかの施設的なところで名前に数字が出てくるってそういうことですよね……。

桜やヨシュアたち大人世代の優しさと、起こってしまった残酷な事実を踏まえて、脅かされゆく多魔という街のため、ぽんこつ魔族は決意を新たにする。それでも彼女の周りには沢山の頼れる仲間がいるのだから、背負い込みすぎないで欲しいと思う一冊でした。

あと、作品のルールから外れた存在が、いつの間にかおかしいことが当然になって怪しまれなくなったところに実は重大な事実がみたいなやつ、散々これまで騙されてきたのにまたやられたなって。おぐらしおんでグシオン、そんなネタかよ! 本当に伏線の仕込み方に油断ならない作品だと思いました。そうなると、この巻のあれもこれも、設定上の仕込みに思えてくる……。