【マンガ感想】THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS U149 7、8 / バンダイナムコエンターテインメント・ 廾之

 

 

久しぶりのU149新刊は龍崎薫編、アイドル大運動会編、そして的場梨沙編の途中までを収録。連載で読んでた時も最高だなと思いましたが、まとめて読んでも最高でした。キャラクターの描き方が丁寧でスピンオフとしても良いですし、それを抜きにしてもマンガが上手い。

 

U149のいいところはたくさんあるのですが、中でもやっぱり表情が抜群なんだと思います。子供たちの中で、感情が動いたその瞬間を切り取ったような表情。単純にかわいいだとか、ただ笑っている怒っている真剣になっているだけじゃない、何かが彼女たちの中で起きたと感じさせてくれる表情の描き方がとても鮮烈で、この作品の魅力になっているのだと思います。一つの話の中で、薫の笑顔のバリエーションで魅せてくれるのは正直凄い。龍崎薫は向日葵だった。

それから、大運動会編はたくさんのアイドルを活き活きと描き出していたのが印象的。アイドル達の負けず嫌いさと、普段は見えない真剣な顔だったり好戦的な顔だったりがとても良かったです。そしてこれだけの数のアイドルが登場する中で、皆に見せ場があるのも良かったところ。マンガって作品の中でこの流れ、このセリフ、この表情というキメのようなシーンがあると思うのですが、この運動会編はあの子にもこの子にもそれがあって、1話の中で次から次へとキメのシーンが出てくるハイカロリー仕様。かといってごちゃごちゃしすぎずに、高いテンションをキープしながらそれぞれに見せ場をくれるのが凄く良かったです。足を引っ張ってと言おうとする結愛へ被せ気味にそんなことないと言う晴とか、背伸びしがちなありすが美波に認められてぐっとこぶしを握るところとか、この方が盛り上がったでしょうと言う桃華と梨沙の返しとか、熱血してる感じが最高。基本的に煌びやかな話ではなく、可愛いを一番に推す話でもなく、熱い話なのがU149だと思っているので、アイドルの運動会というのは最高にハマっていたと思います。

それから連載当時冷静に読めなかった梨沙編。負けん気と向上心の強い秀才タイプが周りの状況に焦っている中で、同じ演技のフィールドにこずえという天才を当ててくるのが、話としてはそれだよ分かってるなあという思いとこの先どうなっちゃうのという思いが入り混じって大変だったなというのが、今読んでも思い出されました。決着は9巻、表紙と、あとソロ曲を、期待してもいいですかね……。