【マンガ感想】イエスタデイをうたって afterword / 冬目景

 

イエスタデイをうたって afterword (ヤングジャンプコミックス)
 

 いったいなぜ今になってアニメ化?? と思っていたら、予想外に凄いクオリティのものをお出しされて、有り難やと拝む日々を送っております、イエスタデイをうたって

そんな訳でアニメ合わせで出た本書、原作はとっくに完結している訳で、インタビューや過去短編の再録が主な内容で有り合わせ感は否めないのですが、ここには後日譚が一本入っているのですね、リクオとハルの。

完全にファン向けサービスなその後の話なのですが、これがもう最高に良かったです。関係自体は変わっていっても、そこにある2人のあり方は確実にあの頃から地続きで変わっていなくて、こうして生きているんだなっていう塩梅が、冬目先生ありがとうございますという感じ。幸せそうにしていて本当に良かったし、きっともう見かけることもないだろうけれど、これからもお幸せにって思いました。よきかな。

あと単行本未収録短編(イエスタデイをうたってとは関係ない)の「夏の姉」が妙な話で面白かったです。都会に出た兄が美女(女装)になって帰ってくるという話なのですが、性自認とか性指向とか結構重くなりそうなテーマを不思議な軽さで描いていくのが面白いなと。妹の気にしない訳でもないけど否定しない感じや、幼馴染(男)への恋? の行方、父親へのカミングアウトのオチも変な外し方をしていて良かったです。