【マンガ感想】やがて君になる 8 / 仲谷鳰
最終巻。これ以上の無い大団円。
この巻に収録される最初の話である第40話で「やがて君になる」という2人の関係を描いた物語としては、タイトルの示した意味も含め完成していて、そこからの話はグランドエピローグというか、ボーナスステージという感じ。そしてもうこれが、これ以上なく純度を高めた、2人の、これまでがあったからこその時間を、その更に未来に向かって描いていて、良かったねえ、本当にねえと思うものになっています。ダダ甘とか色ボケとかバカップルとか何とでも言い様はあるのだけど、この上なく幸せで美しいものとして描かれているので、キラキラした工芸品を見ているような気分になる……。
そしてまあ最終話ね、2人が大学生になった後の話ですが、指輪ですよね。最初隠されていたものが、ごく自然にあるものとして描かれて、そしてこのラストシーンでフォーカスされるのはあまりにも美しかったです。あと呼び方もですね。全くもうね。
それから佐伯沙弥香さん、ちゃんと吹っ切って、次の自分の恋を生きていて、幸せそうで本当に良かったなって思いました。ていうか誰だ陽ちゃんって思ったけどそのための「佐伯沙弥香について」3巻か……!