【ライブ感想】THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Broadcast & LIVE Happy New Yell !!!

 

 まずはこの情勢の中で、配信でこれだけのライブを、当初は有観客予定だったとはいえ、通常ライブと全く変わらない規模感でやってくれたことに感謝。配信ライブはここ1年で随分見たけれど、どうしても収録の歌番組みたいになることも多いので、素敵だった和風の新規衣装もステージの作りも演出も構成も含め、ああいつものシンデレラガールズだと思える、ライブ感があるものを見せてくれたのが本当に良かったです。我々が愛したものはまだ失われていない、大丈夫って思えたことが何よりで、後はとにかく採算が取れていてくれと願うばかり。

 

新春特別ライブみたいな位置づけで、初日はとにかく面子がフレッシュだったのですが、こういうものを見るとシンデレラガールズというコンテンツの特異性を感じます。100人を超えるキャラクターに徐々に声を付けていったので、演者と楽曲に明確に世代が生まれているし、なかなか順番が回ってこないソロ曲の重みが大変な事になっているという。今新規IPを立ち上げようとしたら取られないやり方で、偶然うまく行ってしまったから諸々のデメリットも抱えながら無人の荒野を突き進むコンテンツだからこそ、あまり他で感じないようなエモさが出てくるんだなあというライブでした。

初期を象徴する曲である「ススメ☆オトメ ~jewel parade~」や、アニメとCPを象徴する曲である「GOIN'!!!」を新しい世代が並んで歌うの、ずっと追ってきた身からするとそれだけでエモいのなんのって。この新人、中堅、ベテランのバランス、なんだかもう、スポーツチームを長らく応援してきた人のような気持ちになります。いやだって、アニメメンバーを外してきた4thSSA初日に、ここが今後のシンデレラの試金石だと思ったステージに立った新人たちが今では中核ですよ、感慨深いとしか言いようがない。

そして待たされに待たされたソロ曲、どれもPと演者の強すぎるくらいの想い入れで特別になるのですが、「あらかねの器」とか「思い出じゃない今日を」のように、キャラクターのこれまでとこれからみたいな歴史まで背負わされると地面にめり込んむんじゃないかというくらいの重さがあります。ソロ曲もっと出してくれよと常々思ってはいるのですが、安売りしないからこそこの激エモなのも確かで、これも一つのシンデレラの味なのだと感じました。特に柚なあ、あんなの柚Pじゃなくても死んでしまうでしょ。

 

あと今回のライブ、配信だからこその取り組みを惜しげもなくつぎ込んできたのがこのコンテンツらしくて良かったです。遠隔サイリウム&コメントにこれでもかと繰り出されたAR映像。ARは完璧にハマっている曲から、やりすぎに感じる曲もあれば、技術的に難しいものと十分にいけるものもありましたが、とにかくまずは全部やってみようという意思が感じられて面白かったです。手裏剣が飛び交ったりアパッチに撃たれたり神殿が築かれたりウ○コが降ってきたり色々有りましたが、「世界滅亡 or KISS」のように物語表現に使うのが相性良さ目なのかなと思いました。これは本当に面白いものを見せてもらったなという感じ。

 

 あとは特に印象に残った曲の感想を。

・「命燃やして恋せよ乙女」
 和衣装ならやるでしょうという曲ですが、間奏の台詞(「~~乙女」のところ)がツボに来ました。「こずえー、おとめー?」と「今年も17歳、乙女」でオチてるのずるい。

・「Claw My Heart」
美玲のカワカッコよさここにありっていうパフォーマンスでした。素晴らし。

・「ダイアモンド・アテンション」
格好良い系統のアニソンっぽい曲、ライブ映えします。1日目はナターリアのキレ味抜群のダンス、2日目は珍しく格好良く色っぽかったほたるが印象的。

 ・「Take me☆Take you」
あかり、あきら、つかさの3人があんまり相性がいいもんだから、散々りあむがハブられてることをネタにしてきたのですが、#ユニ募3人揃ったらあまりにエモくて泣きましたね。最新世代のCu、Co、Paの3人に、ピンク、ブルー、イエローのスポットライトが降りてきて、ああそうだよこれだよってなるのはもう刻みつけられたものがある。更にこの曲というのがね……。

 ・「愛の讃歌
ありがとうぱるにゃすライブに来てくれて、桃華を愛してくれて。

・「世界滅亡 or KISS」
1日目に出現した神話ゾーンの皮切り。物語になっている曲の展開、挟まれる台詞、そしてこの長さが、ローランとしては完全に身に馴染みがあるやつで大好きです。そしてこれを喋りきって歌いきったフカガワサン凄かった。日菜子ワールド全開でした。

・「君のステージ衣装、本当は…」
歌詞があまりにもヤバい。これは本当にヤバい。花開き遠ざかっていくアイドルの姿に、仲良しだった幼馴染でも、前のプロデューサーでも、駆け出し時代のファンでも、下積み時代の同期でも、君だけの解釈で巨大感情を抱えて、激エモになろう。

・「Brand new!」
やっぱりもう曲が最高だし、3人の声のバランスも最高なんですよ。そして何より、明らかにこれまでとは違うカラーを持っている、新世代のシンデレラガールズを象徴する一曲。この曲が来て、このコンテンツ後5年は戦えると思いました。シンデレラの時計は止まらない、本当なんだなと。

・「OTAHEN アンセム
曲がとんでもないし、コールどうするんだと思ったら他のアイドルと画面がうるさいほどのAR演出で押し切るしで、夢見りあむここにありを決定づけたパフォーマンスでした。そしてこれ、やっぱり令和の「あんずのうた」だと思うんですよ。アウトローを走り続けるシンデレラガールズの魂を感じる曲です。そしてりあむの声で全くブレずに完璧に歌い踊る星希成奏が凄かった。やっぱりりあむはすげえよ。

・「青空エール
横断幕がかかりフラッグが揺れる客席を見て、晴にも見せたかったなと思いました。いや、AR演出は演者には見えないんだけどさ。

・「幸せの法則 ~ルール~」
かこほたですよ。もうね、ヤバいですね。かこほた、ステージ上でもファンの方は見ていなくて、お互いのことしか見ていないんですよ。Cメロからの向き合うところ、お互いのパートを歌うのをもう一人が見ているときの表情、最高でしたね。歌詞もね、最高なんですよ。尊かったですね。神秘的な演出も良かった。かこほたPの魂が異界送りされてると言われていましたが、さもありなん。最後のところ、コロナのせいで演者間の距離は詰められなかったけれど、私の中では抱き合う2人が克明に見えていました。幻覚じゃないよ。本当だよ。

・「躍るFLAGSHIP」
ベテラン2人の流石のパフォーマンス。好きな曲なので聞けて良かった。渕上さん、シンデレラガールとしてのライブということで、どの曲も気合が入っていました。

・「思い出じゃない今日を」
いやもうこんな曲をこのパフォーマンスで見せられたら柚Pは死んでしまうでしょう。柚Pじゃなくても、あるはずのないこれまでの思い出が走馬灯のように蘇ってくる一曲でした。泣いてしまう。

・「オタク is LOVE!」
好きなものを大声で叫ぼう! というこの曲は、190人のキャラクターがそれぞれに好きなものを掲げて正面突破を図っているシンデレラガールズの哲学だと思うところがあって好きです。エネルギー全開放っていう感じのパフォーマンスも良かった。ウサミンはこういうことをすると輝く。