
- 作者: 友桐夏,水上カオリ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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中学時代仲良し二人組に割って入った隣のクラスの人気者、そして従った一人と従わなかったもう一人。従わなかった子はクラスのいじめの的となり、人気者はそれでもその子に手を差し伸べようとして、その子はそれを拒みつづけ…以下高校に入学してからもエンドレスにどろどろとした人間関係が続きます。明確なイジメの形をとらないで、心理的に追い詰めるようなやり口がえエグイです。
というのが一つの筋で、もう一つにはミステリーということで色々と仕掛けが。名前のトリックに文化祭で行った演劇の筋と現実の相関見たいな物を絡めて、表向きのドロドロ劇の裏に妙に伏線が張られていくのが気になります。序盤で春来≠彩なのは気付いたのですが、まさかその後ああいう展開が来るとは。少しのおせっかいと、少しの臆病さから、ドミノを倒すように始まった人間関係のもつれが息苦しく、それが解決するのはすがすがしかったです。
ただ前作でも感じたのですが、どうにもトリックの用い方や話の運び方がが強引すぎるような気がします。もう一歩でトンデモな話になってしまうギリギリのラインなので、ちょっと作品世界にはまれないと苦しいなぁと思いました。
満足度:B