GOSICKⅢ 青い薔薇の下で / 桜庭一樹

もー、いいなー。なー。な−。意地っ張りで意地悪なヴィクトリカと生真面目で鈍感な久城の微妙な関係が、微笑ましくて微笑ましくてたまりません。今作は元々そんなに強くないミステリー要素はさらに弱く、都市に出かけた久城が不思議な事件に巻き込まれて、カゼで寝込んでいるヴィクトリカの力を借りてそれを解決するといったもの。ヴィクトリカとグレヴィールの関係とか、ブロワ家の過去とか、アブリルと久城の関係とか、いろいろ先に引っ張れそうな要素も出てるので、シリーズはまだしばらく続きそうです。本としては、中学生向けくらいの冒険?ミステリ?小説として、実によくできてると思います。大学生が読むと、さすがに子供向けな印象受けますけど。ヴィクトリカ中心にキャラクターの魅力がすごくありながら、キャラクターのみに頼ってるんじゃないのが好感が持てます。バランスがいいのかな。