F1 中国GP決勝

いまさらですが軽く感想でも。
とにもかくにも、これで最終戦ブラジルに向けて三つ巴のチャンピオンシップ争いは激化。スポーツは筋書きのないドラマと言いますが、むしろこれはどこかに腕の良いシナリオライターがいるのではないかと疑いたくなるくらいできすぎた話です。
そんな訳で中国GP最大のトピックはハミルトンのリタイア。チャンピオンをほぼ手中に収めた状況での、このミスは大きいです。なにより、明らかにタイヤの限界が来ているのにピットを引き延ばしたチームのミスと、プレッシャーもあったのか今期初めて犯したハミルトンのドライバーズエラーの二つが重なっているのがドラマチック。このまま崩れてしまうのか、これを糧にして最終戦で完勝を見せてくれるのか、どちらに転ぶにしても目が離せません。
そして優勝はライコネン。ここ数戦の走りはフェラーリ+ライコネンのパッケージがようやく真価を見せ始めたと確信するに十分。これでハミルトンとは7ポイント差。絶対に無理だと思われたところから繋いだ僅かの可能性、依然厳しい状況ながら逆転チャンピオン、見たいです。
チャンピオンの意地を見せたのはアロンソ。ハミルトンとの関係は冷え切り、チームとはもはや一触即発。チーム内で孤立を深め離脱は確実、明らかに精神的に不安定になっていることは隠しきれないというのに、レースが始まれば難しいコンディションをしのぎ切っての2位入賞。やはり2年連続チャンピオン、タダ者ではありません。これでハミルトンまで4ポイント。まだ逆転の目はあります。
この状況でのブラジルGP。ハミルトン優位の状況は変わらずとも、さまざまな期待が膨らむグランプリ最終戦になりそうです。楽しみ楽しみ。

そしてその後ろでは、難しいコンディションの中1ストップを成功させたヴェッテルの4位が白眉。日本GPの悪夢を実力で振り払う4位入賞は、将来が楽しみどころの話ではありません。ミハエルのいなくなった今年は、本当に新人の当たり年のようです。トロロッソは6位にもリウッツィが粘り切って、来期のシート獲得へ猛アピール。2台入賞という驚きの好成績でした。
そして5位にはホンダのバトン。雨のレースをきっちりまとめての今期最高位はさすが。これでスーパーアグリに負けているという状況は脱して、チームとしても胸をなでおろしているか。

そして次戦ブラジルは、チャンピオン争いだけでなく、ウィリアムズでブルツが引退、中嶋一貴がスポット参戦と見どころ盛りだくさん。しかし、シーズン開始時に1人しかいなかった日本人ドライバーが、いつの間にか3人になっているなんて、いったい誰が想像できたでしょうか。