THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS U149 3 / バンダイナムコエンターテインメント・廾之

 

 U149はシンデレラガールズの小さい子たちが中心の作品なのですが、年少組が中心ということで何が特徴的かというと、全てがシンプルになることなんじゃないかと思います。次々に起きる出来事に、驚いて、喜んで、悩んで、泣いて、笑って、助け合って。もっと上の世代のアイドルたちを中心にしたら、なかなか出てこないようなプラスにもマイナスにもストレートな反応が重なって、彼女たちの時間を作っていく。大人の事情に振り回されることがあっても、チビPがなんとか踏ん張って、彼女たちの世界を複雑にはさせないように、いつも同じ目線で彼なりに考えて行動してくれる。だからこそ生まれてくる関係だったり、輝きだったりがあって、それを前にすると、ああ、これが尊いということか以外の語彙力を失います。

そんな訳でこの巻も素晴らしかったんですけど、特に佐々木千枝回、本当に素晴らしいと思います。リーダーを任されたことで彼女なりのコンプレックスと気負いがあって、背負い込んで崩れそうな時に手を伸ばしてくれる大人と仲間がいるということ。人見知りな子が一歩踏み出すための物語は、同時に第三芸能科の絆とPの成長にも繋がっていて、なんて素敵なお話なのだろうと。

これだけ多くのキャラクターが登場するのにそれぞれの特徴を掴んで、愛を感じる描写と丁寧な物語をいつも読ませてくれるのは、本当に有り難いことだと思いました。