生徒会の三振 碧陽学園生徒会議事録3 / 葵せきな

生徒会の面々がバカバカしくおしゃべりをするだけという小説の3巻目。
相変わらず切れの良いボケとツッコミで生徒会メンバーたちが話しているだけなのですが、それが面白いのだからこれはある意味凄いのではないかと。会長の要らない名言もどきから始まる鍵を中心とした生徒会会議は、パターン化とキャラクター付けが固まっていくに従ってマンネリ化するどころか、むしろ破壊力を増してきています。電車で読んでいると思わずニヤニヤしたり噴きだしそうになって、変な人になりそうだったくらいに。
キャラクター的には真冬がどんどんダメ人間の本性を現していって目が離せない感じ。ゲームやBLを熱く語ったりと言動が逐一アレな感じの子なのですが、その発言内容は大変良く共感できるのがまた困りもの。他にもお子様化が止まらないくりむや、S気質というかもはや本気で危ない人な紅葉、そして熱血中二病一直線な深夏と暴走し続けるキャラクターたち。さらにネタの方もギリギリ感を増していて、どこまでエスカレートするのか楽しみでもあり、不安でもあります。でもどうせなら富士見ファンタジアの限界を越えて、行けるところまで行ってしまったものが読みたいなぁ、とも。
話的には購買の新作パンをどうするのかや、RPGを製作してくりむにやらせる話が面白かったです。RPGのあんまりすぎるシナリオがなぜか感動ものっぽく収束する辺りは素晴らしいものが。少し色の違うところでは、深夏と鍵が二人きりになってドギマギする話が新鮮で良い感じ。個人的に、鍵は完璧超人の上にむやみやたらと良い人なのを敢えてバカでエロな仮面で覆ってる感じに、逆に他人との壁を作っているような感じ受けるので、こういう素の反応を見られるのはちょっと嬉しかったり。
ただ、この小説のベタベタなノリに時々上滑っているような気がしてしまうのと、椎名姉妹の話のようなシリアスな話にどこか気持ち悪さを感じてしまうのは相変わらず。でも、バカ話の面白さがその違和感を大きく上回っているので、十分楽しめた事は疑いなく。これは今月発売された短編集? の方も早く読まなければと思いました。