Fate/Zero 1 第四次聖杯戦争秘話 / 虚淵玄

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)

Fate/stay night」の前日譚、なのですがゲームは買ったものの未プレイ。ただ、この小説が面白いという話も前々から聞いてたので文庫化を機に手にとってみました。
魔術師である7人のマスター、英霊である7人のサーヴァント。彼ら彼女らが、あらゆる奇跡を叶える聖杯の力をめぐって冬木の地で繰り広げる闘い。そんな聖杯戦争を描いた物語ですが、この1巻はそのプロローグといったところ。キャラクター同士の関係、聖杯戦争にまつわる設定。そういったものを丁寧に説明しながら、彼らが一体どんな人物であり、何をかけてこの聖杯戦争に挑むのかが描かれていくような感じです。
魔術師の王道を行く遠坂時臣のような人物から、魔術師として、そして教会の人間としてアウトサイダー的な立ち位置にいる衛宮切嗣言峰綺礼。そしてウェイバー・ベルベットのような生意気なガキから雨生龍之介のような快楽殺人者まで、この聖杯戦争が始まった時に一体どう動くのだろう、彼らの想いはどこに届くのだろうと思わされるようなキャラクターが幾人も登場。
世界観がしっかりしていて、固めの文章による語り口も魅力的。それぞれが置かれた立場、関係といったものにも惹かれるものがあって、これはきっとこの先面白くなるのだろうなという予感のする一冊でした。続きの楽しみなシリーズになりそうです。