名探偵コナン ゼロの執行人

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コナンの映画はもう長らく見ていなくて、安室さんについてもそもそも私が知る時点では登場していないキャラクターだったのですが、安室の女が大量発生するでっかいムーブメントを察知したのでいそいそと映画館へ行ってきました。

見終わって色々とコナン凄いなと思ったのですが、とりあえず安室さんも格好良かったけどその愛車の白いRX-7FD3S)が大活躍してたのでテンションが。本当に好きなんですよRX-7。未だに日本車で一番格好いい車だと思ってるくらいに。しかも前期型(ランプの形が細い、後期よりカッコいい)でしょ。マツダじゃなくてアンフィニのエンブレムついてたし。安室さんのドライビングテクニックにより首都高をドリフトしたり、ちょっと物理的に無理なんじゃないかというカーアクションしたりと見せ場がたっぷりあったのですが、この大人気シリーズの映画で2018年に劇場に響き渡るロータリーサウンドとかちょっと最高じゃないですかね..。マツダは早く次のロータリースポーツ作ってくれませんかね……。

というのは置いておいて、まずシナリオがかなり込み入っていてびっくり。コナンたちの視点、安室さん(というか公安)の視点が絡み合って、更に別のところに犯人の動機と行動がある。しかも、前半は小五郎が逮捕される流れで、司法制度や公安の位置づけの解説がばしばし入ってきて子供ついてこれてるかという感じ。その分後半は話し筋とは別に超アクション満載になっていて、それでいて伏線は見事に回収し切るんだからなかなか。

そしてテーマが「正義とは何か」をど真ん中からいっているのがびっくりしました。コナンの作品世界観って犯人さえ死なせない、真実はいつもひとつの絶対正義というイメージが私の中に長らくあって、そこに対して安室さんという正義の在り方を相対化するような人物が存在するようになったというのがまず驚きだったというか。

作品構造的にコナンが発揮する絶対的な正しさは今回小五郎のおっちゃんの冤罪を晴らす方向に向かっていて、それを仕組んだ安室さんは国家という大きなものを守るためにダーティーな手段にも手を染める。犯人と対比される形で安室さんが示す一線は、自分の犯したイリーガルな手段のケツを持てるかどうかなのですが、それは決して何もしなかったことにはならないし、現にそこに端を発してこの映画の物語は始まっている訳で。

その上で、安室さんのいる場で犯人にコナンが投げつける「それは正義じゃない!」という言葉の切れ味に、ひええええってなりました。コナン/安室/犯人の対比の中で浮き上がる正義の形に対して、あれを恋人だと言い切っちゃう安室さんが何を思って何をしたかも分かるけれど、でもこっちは蘭姉ちゃんがどれだけつらい思いをして泣いていたか見てるんだっていう、そこまでを踏まえた上での観客にも投げつけられるあの台詞はちょっとヤバいなと。それでまたコナン自身が本人の絶対正義のためなら、今回も法に触れるようなこと一切のためらい無くやっちゃうというところも含めて、ねえ。

とか言うことを考えながら見終わったら、私が見ながら思っていたことはだいたい全部福山雅治が歌にしていて主題歌として流れてくるものだから二度びっくりですよ。

真実はいつもひとつ だけど正義はいつもひとつじゃない 

 って歌うのなんだこのコナンの世界観における安室透の完璧なキャラソン

 

あとは灰原さんがすっかり少年探偵団の皆のお母さんになっていて、宮野さん第二の人生楽しんでるな良かったなっていう気持ちになりました。基本的に灰原さんが最終的に幸せになってくれさえすれば私コナンに思い残すことはないので……。