ヴァンパイア十字界 1〜3巻 / 城平京・木村有里

なんともいい難いマンガです。ひたすらごちゃごちゃした設定から、大仰で芝居がかったセリフ回しに、派手派手な絵柄と、とにかくアクが強い、濃い、くどい。突っ込みをまってるんじゃないかと思うような突っ込みどころも多々。なんだこりゃと思うことも多々。あっけにとられることも。とりあえず、話が面白くなるのは2巻から、絵が安定するのは3巻から。
話の本筋は意外としっかりしてて、それで結構面白いから困ってしまいます。ヴァンパイア、ダムピール、人間の三つの勢力がお互いに戦闘したり、協力したりし、騙したりしながら駆け引きをしている様は楽しいし、台詞回しの大仰さもはまってるって言えばはまってます。さらにスパイラルでも城平京はやってる事ですが、真相をどこか遠くに置いたまま、読者どころか登場キャラクターにまで間違った情報を振って、ひっくり返して、さらにそこで明らかになった事を使ってトンデモ展開をさせるという話の作り方は読んでて面白いです。伏線らしきものはまだあるので、今後どうなるか予想もつきません。というか、あんまりトンデモな展開をするので予想しようにもなぁというのもありますが。いや、でも、宇宙人が攻めてくるって…。