【ゲーム感想】ゼノブレイド3 新たなる未来

思ったより早く来てびっくりしたゼノブレイド3の追加ストーリー。舞台は本編より前の時代、シティの6氏族の始祖たちの物語。

追加コンテンツとしては単体として見ても、シリーズをやってきて良かったと思える要素満載で、システム的にも総決算と言える完成度で大変に素晴らしかったです。ただ、このストーリーを受けてあの本編のエンディングなのはやっぱり納得が……。

 

以下ネタバレありの感想。

 

 

 

 

 

 

という訳でシリーズオールキャストでお送りするこれまでゼノブレイドをやってきた人へのご褒美のような作品。1と2の世界が衝突してアイオニオンが生まれたところから3の時代にどう繋がっていったのかのミッシングリンクを描く物語で、単体でも遊べるようにできていた3では描かれなかった、シリーズの中での3の位置づけを明確にする作品でもあります。

キャラクターも土地もあの時のあれ! というものがこれでもかと登場してずっとシリーズをやってきた人はニヤニヤしてしまうのですが、何はともあれ成長したシュルクとレックスですよ。シュルクはダンバンさんの影響が、レックスにはヴァンダムさんの影響が見えるところでグッときますし、レックスがムキムキのイケおじになってるのズルくないですかね。そりゃあ嫁も三人いるわ。そして彼らの子供がオリジンから再生されアイオニオンで生きる姿と思われる、ニコルとカギロイとの関係も、あの物語の続きを見せてくれるようなファンサ―ビスという感じで良かったです。

それからいったい何してるんだと言われていたアルヴィース(ウーシア)も物語の鍵として登場。オリジンのベースとして活用されていて、シティの人々だけを未来へ運ぼうとするアルファと、これまでの世界の人々を切り捨てられないと考えたエイに別れているのですが、ロゴスは男性、プネウマは女性で、ウーシアはどっちでもないからと美少女形態で出てくるのなんなんですかねあいつ。

そして主人公である、ヴァンダム家の祖にして、ノア(N)の子供を祖父に持つマシュー。彼の真っすぐな熱さはいかにも主人公という感じで良いものでした。世界を留めおこうとするメビウスと進ませようとするノアという2軸から、シティの人々だけを未来に連れて行こうとするアルファという第3軸があることで、Nとマシューの間にもまた別の関係性が生まれているのも面白いところ。

ただ、ここでアルファのやり方を否定して置いていかれる命があっていいわけがないと言うなら、本編のエンディングでまたいつかの未来に生まれてくるからというエクスキューズをゴンドウに喋らせてシティの人々を切り捨てたのマジでおかしいと思うんですよね。アイオニオンの兵士たちはオリジナルと同一に見なされるという価値観は、この追加ストーリーでも通底していた(ニコルとカギロイの扱いから)のでまあ納得はできるのですが、シティの人たちは駄目では?? 結局最後にそうなるの、ナエルはキレて良いでしょと思うのですが。第3の価値観を過去編で提示してくるのなら、その辺りは分かった上でやっていたということだと思うので、なんだかなあと感じるところでした。

ゼノブレイドのシリーズはこれで一区切りということだと思うのですが、3の後日譚で何かこう、納得いくような未来が描かれて欲しいなという気持ちもあります。3のEDは二つの世界に別れた時もきっと出会えると言っているので、その先に何が起きるかは遊ぶ方に委ねられてるとも思うのですが、2のエンディングみたいな何が何でもハッピーにするパワーを見せてくれてもいいのよ?? という気持ち。

 

システム面はマップに新要素が加えられていて、アンテナを立てれば「?」マークが表示されるので取り漏れなく探索できるのが良い感じ。普通にやっていたら取れずに最終的に残ったコンテナや遺物の回収が、上のエリアからどうやって落ちてくるかのバリエーションになってしまうのはどうかなと思うところもありつつ、マップの上下を使った仕掛けは含めゼノブレイドの伝統ではあるかなと。

あと、相変わらず音楽が素晴らしかったです。サントラのトリロジーボックス、買わせていただきます。

 

そんな感じで色々と言いたいことが残ったところはあれど、RPGはもう面倒くさいかなと思ってた私が気付けば100時間以上遊んでしまうような滅茶苦茶楽しいゲームだったことは間違いなく、去年から一気にDE→2→3とやってきて良かったなと思います。これだけのゲームを作れるのだから、モノリスソフトの次回作にも期待大です。

ところでゼノギアス、リメイクしませんか……?