2023年の振り返り

ブログを書くこともほとんどなくなったここ一年でしたが、一年の締めくくりくらいは少し振り返りをしようかなと。

 

今年はライブの声出しがOKになったことが一番大きな出来事だったと思います。ここ数年声出しNGのライブが当たり前になっていて、それはそれで楽しいと思ってはいたものの、やはり歓声があるって全然違うなと感じた一年でした。

私が最初に参加した声出しOKは2/4のバンドリRAISE A SUILEN×Poppin’Partyだったのですが、会場の雰囲気に最初は呆気にとられ、数曲目の「Moonlight Walk」のシンガロングでじわじわと感慨がわいてきたのをよく覚えています。ああ、帰ってきたんだなという気がした瞬間でした。

それからアイマスの合同ライブMOIW2023の一夜の夢のような盛り上がりがあり、歓声の戻ったアニサマANIMAX MUSIXがあり、中でも一番歓声のパワーを感じたのはアイマス×ラブライブの異次元フェス。私は2日目を見に行ったのですでに会場出来上がっていたこともあり、時に曲が聞こえなくなるほどの地鳴りのような大歓声とあの特別な祝祭の空気感はちょっと得も言われぬものがありました。

流石にコロナ前のように年に60も70も行く生活には戻らないと思いますが、やっぱりライブの空間は私の趣味の中心にあるものだと思う一年でした。

 

あと、今年と言えばやはりクソデカ絵馬こと、Sound Horizonのの「絵馬に願ひを! Full Edition」は外せないところ。

ルート選択に攻略要素がある音楽作品という類を見ない形態で、現代日本っぽい世界を舞台に怒涛のような情報量を何度も何度もたどることで少しずつ全体像が浮かび上がり、かつ正解の提示はなくローランの解釈に委ねられる(解釈すること自体が選択肢として作品に取り込まれている)。そう言ってみれば今までのサンホラの延長線上にあるものですが、よく思い切ったなというくらい間口は狭く、噛めば噛むほど味がする過去一の怪作だったと思います。本当に何度見ても新発見がある。媒体は違いますが、十三機兵防衛圏に触れた時と近い印象のある作品でした。

惜しむらくは発売延期によりコンサートが完全初見でのルート選択となったこと。それはそれの驚きや楽しさもありましたが、分かっている今だからこそ細部をガン見したいという気持ちはあり、当然この作り方では映像化が難しかったというのも分かるのですが、もう一回見せてくれという気持ちは今でもあります。というか「秋季例大祭」が生で聞きたいんだ……来年こそ領拡みたいなライブやりませんかね……?

 

それから今年の私の中心にあったのはアイドルマスターシンデレラガールズU149のアニメ化。原案マンガにハマって幾年月、結城晴の声が聞こえるようになり。的場梨沙声の声が聞こえるようになり、ついにここまで来たという感動がありました。

アニメとしては、原案マンガのエッセンスを抽出しながら、キャラクターの掘り下げに特化した構成で大変出来が良く満足。いや本当は廾之先生の描くU149こそ至高と思っていて、テイストの差異がある(もう少しデレのパブリックイメージやデレアニによってる感じがある)ことを消化するのに時間がかかったりもしたのですが、でも桃華回~梨沙回~晴回の辺りは制作陣のこだわりが見える神ががかったものがあって、これを認めないわけにはいかないだろうと。子供アイドルが主役ということでハナから広く受け入れられることはないのを前提に、キャラクターの魅力を深く掘り下げることに注力する選択が感じられて、サイゲの覚悟と執念の一作という印象もあります。マイナーが故に熱量が上がったケースというか。あと子供たちへの目線というか、扱い方がU149なら絶対にそういうことはしないというラインをきっちり守ってくれたので良かったです。

なかなかこのテーマで2期というのは(デレであれば他にやることがあるだろうという意味で)難しいのかと思いますが、それでも第3芸能課は13人であるので、13人であるので……! ずっと待っています。キャストがどの場にU149として出る時も、ずっとフルメンバーは「13人」と言い続けている言霊を信じたい。

 

そして年末にかけてアニメと共に想定外のところから刺さったのがティアムーン帝国物語。ギロチンにかけられた皇女様のタイムリープやり直しものなのですが。やることなすこと周りがうまい具合に解釈してくれることと、ポンコツでちょっとゲスなミーア姫の内心のギャップにナレーション(小説は地の分)で突っ込みが入るところが面白く、コミカライズ発のミーアの変顔百面相と併せて楽しい作品です。基本コメディなのですが、一匙のシリアスの塩梅が非常に上手く、いい作品だと思います。

色々好きなところはあるのですが、やっぱりこの作品はミーア姫の魅力に尽きるのだと思います。無知と貴族としての常識=傲慢がギロチンに繋がった前の時間軸から何が変わったと言えば、何が民衆の怒りを招くのか、飢饉の恐ろしさを知ったことや、帝国再建に駆け回り最後は地下牢に送られた経験なのですが、基本的に地の部分は変わっていないのですよ。確かにポンコツで下衆なんですが、善性が如何に貴ばれるべきであるものかを体現しているところがあり、小心者ながら図太さ強かさもあり、前向きに学び考え行動することができる。傲慢さゆえに人を遠ざけた前の時間軸から、ボタンの掛け違えが正されるように人と結んだ縁が己のもとに帰ってくる因果応報は、もちろん周りの眼鏡が曇っているところもあるのですが、本人の人徳だと思うところも多く。

アニメで気になり、コミカライズにハマり、今ついに原作を8巻まで読み進めているのですが、内心を知っていてもこれはもう帝国の叡智なのでは……? ミーア様に全力をもってお仕えし、ミーア様に恥じないように勤めなければいけないのでは? くらいの気持ちまで来ており、この読者の眼鏡を曇らせるパワーが、そのままこの作品の魅力なのだと思います。いや、生誕祭での立ち振る舞いから月光会~パン・ケーキ宣言のところの流れ見ました? あれこそわれらが女帝であり叡智でしょう??

 

そんなところの2023年。私生活的には家を買ったり、仕事がヤバすぎたりと色々あってブログの更新はまだしばらく遠ざかりそうですが、来年も素晴らしきコンテンツとの出会いがあれば良いと願って。