未来日記 2巻 / えすのサカエ

未来日記 (2) (カドカワコミックスAエース)

由乃が異常であることに気をとられがちですが、これマンガ全体が異常だと思います。
未来を予測する日記を手に入れた12人によるバトルロイヤル2巻目。今回は6rh、12thが登場して順調に話が進んでいます。しかしながら、キャラも壊れてるし起こる事件も壊れてるし、狂気の密度が高すぎて読んでいて何かすごく気味の悪いものを読んでいるような気になります。前半のユッキーと由乃のデートから何かおかしい感じ。平和なはずなのに言い知れぬ恐さがある辺りは、マンガとしての出来がいいのかもしれません。絵が上手いという感じではないですが、妙な迫力のある表情の描き方とかは秀逸だと思います。
そして由乃家での出来事はもう恐ろしいとしか。由之はこの後も邪魔だから殺しちゃえばいいんだとか、斧を見つけてものすごく嬉しそうな顔をするとか、ストーカーを通り越していっちゃってる感をふりまいています。このキャラクターの存在だけでもマンガが成立しそうな勢い。他も6thはカルト教団のトップだし、信者が催眠術で集団催眠にかかって殺しあったりするし、12thはどうしようもなく変人だし、なんかもうどこから突っ込めばいいのかわからない壊れっぷりなんですが、テンションは常に高いし面白いです。一応日記ごとの細かいルールに基づく読み愛の要素もありますし、デウスの存在や因果律の話がある以上メタな話に展開するのかもしれませんし。
そしてあまりに皆が変人なので、テロリストであるはずのみねねが可愛く思えてきた不思議。
満足度:A