THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story 9/3・4 @ 神戸ワールド記念ホール

両日LVで見てきましたデレ4thの神戸公演。とにかく楽しいライブだったと思いつつ、まず演出というか仕掛けの部分でびっくりしたというか感心したのでその辺の感想を。


シンデレラは765ASはもちろん、現状で全アイドルに声がついたミリオンやSideMとも違って、ひたすらにアイドルの人数が多くて、まだ曲が無いどころか声もついていないアイドルもたくさんいます。でも、これまではメインどころのメンバーは決まっていて、彼女たちがライブを引っ張ってきたしシンデレラの中心だった。
それは当然のことだと思いますが、ただ、シンデレラガールズというコンテンツはそれだけではいけないはずなのです。全てのアイドルには彼女たちのプロデューサーがいるのがシンデレラガールズなのだから。であれば。今回の4th、特にメインメンバーを外してきたSSAの1日目で、「誰が出て何を歌ってもシンデレラガールズのライブ」という一つのパッケージを作らないと、この先の未来は見えてこないかなあという気がしていました。
それが、まずこの神戸でモバマスでもアニメでもない、デレステというもので一つのライブを成立させられるということが示せた。そして、それ以上に演出の面で、シンデレラでしかできない、シンデレラに必要なことをやってきたのが、何よりも大きかったと思うライブでした。
後ろのLEDで出れすてモデルが踊るという演出。それ自体は例えば初音ミクのライブなどでもずっと取られている手法に近いですが、同じステージで、同じ扱いの存在として声優(中の人)とキャラ(外の人)が共存する、それはその関係性が特殊なこういうコンテンツのライブだからこそできる仕掛けだったと思います。最初の「S(mile)ING!」で真ん中で踊っている大橋彩香島村卯月だし、後ろのモニタで踊るのは渋谷凛本田未央だし、あれは間違いなくNGsだった、みたいな。
で、その真価はライブが進むに連れて見えてきました。キャスト全員が揃わなかったユニットは、揃わなかったキャストのキャラクターが後ろで踊るみたいなこともできれば、曲どころか声もまだついていないアイドルがバックダンサーでデビューすることだってできる。何が凄いって、ライブデビューするんですよ。確かにあのステージで何人ものアイドルが初出演したんですよ。シンデレラガールズのアイドルは、曲がある子だけでも、声がついた子だけでもなくて、約200人全員だっていうことがライブイベントにおいても示された訳ですよ。これはとても大きい思いますし、デレステの大きな功績だと言っても良いんじゃないかと。
そしてそれを逆手に取るように、5人中4人が出演していた炎陣で木村夏樹が踊っていたところからのまさかの安野希世乃登場というサプライズ。次元の壁を揺るがしていくこういうことができるというのも、新しい扉を広げて演出の幅が広がったと感じる瞬間でした。これからが楽しみ。


ライブ全体的には、3rdで見せたショウ的な路線に行くのかと思っていたら、バラエティ方面に進化したという感じでした。まるでバラエティ番組を見ているみたいな面白さの種類。高森奈津美三宅麻理恵といった面々が一門の一門たる所以を見せつけていくMCに、「ショコラ・ティアラ」の最後で取り出したマシュマロむしゃむしゃしながら「ましゅまろキッス」を踊る大坪由佳という存在自体が面白い何かがあったりと、とにかく楽しい気分になるライブだったと思います。個人のパフォーマンスはもちろん前提としてあるのですが、そこだけで勝負をすることはしない、全体として面白いものをというのもまたシンデレラの特性にあったものだと感じました。


あとは、個別に印象に残ったところの感想を。
・曲的にMVPだったのは「Love∞Destiny」。初めてフルで公開された曲の特にCメロからの格好良さ、そして牧野由依佐久間まゆから滲む情念みたいなのが素晴らしかったです。牧野さんのまゆはかわいいのに時折ゾワッとくる感じが見事としか言いようが無いです。
・サプライズで5人揃った炎陣も良かったです。今までなかったパワータイプの集まりという感じ。推しが強いというか圧が強い感じが「純情midnight伝説」に合っていてとても良かったし、サプライズのなつきち登場からの5人の「Rockin' Emotion」も素晴らしかった。良いユニットが生まれたなあと思います。
・最初のMCで見せたアニサマとはうって変わったホーム感から最初のソロで「S(mile)ING!」ではっしーが歌い出した瞬間、余裕というかなんというか、3rdのあの「S(mile)ING!」から先に進んだ島村卯月がここにいるなあと感慨深く。あと、感情が歌にのるようになったなあと。
春瀬なつみさん、出てきた瞬間に龍崎薫。歌っても龍崎薫、踊っても龍崎薫、動き全てが龍崎薫。もう見た目の雰囲気から存在が龍崎薫でびっくりしました。とんでもなかった。薫はデレステで最初の頃にSRを引いて使っていて、本当にめっちゃ良い子で好きなキャラになっていたので、これはちょっともうヤバいと思いました。よく見つけてきてキャスティングしたなというかなんというか。会場とLVのせんせぇの皆様が成仏していないか心配です。
・「ハイファイ☆デイズ」は盛り上がらない訳がなく、その通り盛り上がりました。そして完全にみりあと千枝と薫だった。いつか是非5人全員で見たいです。
・ハイファイのランキングで松田颯水さんが星輝子を1位にしてあげられて良かったと泣いたMCは、胸にくるものが。ああ彼女らはそういう競争の世界で闘ってもいるのだなと、忘れがちなことを思い起こさせてくれた感じ。そして「毒茸伝説」はめっちゃ格好良かった。どんどん進化してると思います。
・「GOIN'!!!」はやはり強い。問答無用。
・「メルヘンデビュー」は両日相変わらず最高に盛り上がって変に涙腺を刺激する何かでした。出る前に出番が次のゆきんこにかけたという「あたためてくる」という言葉といい、生き様か、生き様なのか。
・初日の眼鏡の台座こと長島光那さんもまさに上条春菜って感じでした。赤のセルフレーム好き。


それから、2日目の「Snow Wings」。サプライズでのNGsではっしーが泣いたという話を。
大舞台でも、センターでも、とにかく動じない、泣かないというのがシンデレラのはっしーのイメージなんじゃないかと思うのですけど、3rd2日目のアニメを再現した流れで見せた涙、アニサマでのド緊張して上擦った声と、シンデレラを追いかけてる人にも、なんとなくここのところの変化は見えていたんじゃないかと思うのです。
でも、正直ここであんなに、今まで見たことがないほど泣くとは思ってなかった。
これまでの活動があって、そしてあのアニメがあって、大橋彩香にとっての島村卯月がどれだけ大きな存在になっていたのか。そして島村卯月にとってのNGs、渋谷凛本田未央がどれだけ大きな存在になっていたのか。今回シンデレラのライブとしては珍しくNGsとしては1人での参加だったところに、2人がああいうサプライズの形で隣に来たことが、島村卯月としてステージに立っている彼女にとって、どれだけの喜びと安心をもたらしたのか。そのシンクロ率の高さが、どの場面よりもあの場面での涙に繋がったのだろうなと。あそこで泣いていたのは、果たして大橋彩香だったのか、島村卯月だったのか、みたいな。
でもそれだけで今までのはっしーが泣いたかというと、きっと泣かなかったような気がしていて、やっぱりそれと同時に、大橋彩香という人の変化があると思うのです。1stアルバムからライブの時にも凄く感じたのですけど、感受性というか、感情表現というか、そういうものが、最近開かれつつある感じがしていて。今までの何でもソツなくこなすあの動じなさを生み出していたのは、本人の資質であると同時に、何に対しても一線を引くような、それをそれとして自分の心から切り離すようなスタンスだったと思います。でもそれが変わってきた。本人が「最近人間性を取り戻してきた」と言っているような変化。
そうやって感情を素直に出すようになってきたことで、こんなふうにすぐ泣くようになったり、彼女は脆くなるのかもしれません。でも表現者としての道を選んだ彼女にとって、それはとても大きな進歩なんじゃないかなと思います。そして、そうやって全部でぶつかれるだけの環境が今あって、支えてくれる仲間がいて、それをすることができる表現者としての活動、今回の島村卯月としてのライブのような、があるというのは、ファンとしては本当に喜ばしいことなんじゃないのかなと。
だから、今回この場面で見せた涙というのは、本当に重いと思います。また、ファンとしてそういう瞬間を追いかけていける、そしてその先にある可能性を見ることができるというのは、こんなに幸せなことはないと、改めて思いました。

メロディ・リリック・アイドル・マジック / 石川博品

これは良かった。良いものだった。
国民的アイドルグループ・LEDに反旗を翻す女子高生アイドルたちがしのぎを削る沖津区を舞台に、アイドルを始めた少女たちと、彼女たちのマネージャになった少年の物語。ですが、ちょっとこの独特の雰囲気をなんと表せば良いのか。
まず、この作品のアイドルってLEDという洗練された、反面作られたものでもあるメジャーとしてのアイドルがあって、それに対して反目するアイドルが吹き溜まる沖津区なわけです。なのでそこに感じるのは地下アイドル感というかインディー魂というか、ぶっちゃけパンクでロックンロール。ダイブしてモッシュしてリフトして熱狂! みたいなライブがいきなりぶっこまれるは、アイドルたちは歌って踊って客を殴ってみたいな。下手でも良い! やるかやらないかだ! 熱量! 反体制! LEDは死ね! みたいな。まさにパンク。
流石にアイドルだからかラノベレーベルだからかセックスドラッグロックンロールにはならないのですが(アコはチョコをキメていた気がしますが)、この限られた空間、限られた時間、その中で何かが爆発する青春の熱狂みたいな手触りが、石川博品らしい少年少女の描写と相まって本当に素晴らしいです。拙いとかプロフェッショナルじゃないとかそういうことではない、合理的かどうかも関係ない、井の中の蛙でも良い、むしろ井の中だから良い、そういう感じ。先輩を見てきてアイドルをやろうとしたアーシャがいて、過去に闇を抱えているアコがいて、アコの歌でまさしく沼に落ちてマネージャになったナズマがいて、プロデューサーを受けた国速がいて、何かがどこかで触れれば火がつくような、そして実際火がついた、そういう刹那の時間。その中で、アイドルになるということ。

やるかやらないか、それだけだ。
下火はずっとアイドルを夢見ていた。だが百合香のいうとおり、いますぐやればよかったのだ。やらなきゃアイドルじゃないし、やってしまえばアイドルだ。

この青春にしか許されない、青春の全てであるような感じ。少年がいて少女がいて、彼女たちはこの時アイドルだった、そういう物語でした。小説的には大分アンバランスな感じがするのですが、その辺りも含めて、ああ青春だなと思うような一冊。
あとそんな熱狂の中にあっても意外とみんな外の世界、ここを出た後のことは考えているフシがあるのも絶妙にリアル感があって面白かったです。そして外の世界を彼ら彼女らが否定しても、作品としては否定することはないですし。
そしてこのタイトル。「メロディ・リリック・アイドル・マジック」。まさにそういう話だったなあと。素晴らしかったです。

Animelo Summer Live 2016 8/26・27・28@さいたまスーパーアリーナ

Animelo Summer Live 2016 刻 -TOKI- | アニメロサマーライブ2016
毎年今年はもういいかなあと思いつつも足を運び、終わってみればやっぱりアニサマ最高や! となるのが恒例となっているアニサマ。今年はラインナップ的にもいわゆる卒業組以外にもビッグネームで出場しないアーティストが多くて、正直アニサマとしてどうなのかなあと思うところもあったのですが、蓋を開ければやっぱりアニサマアニサマでした。あのお祭り感と有無を言わさぬ規模感、そして演出から運営までのレベルの高さは、世界最大のアニソンフェスの名は伊達じゃないと手のひらぐるぐるですよ。出場アーティストがどこのアニソンフェスに行っても同じような面々になる昨今にあっても、アニソン界最大のお祭りとして12年積み上げた特別感というか、アニサマの空気ってやっぱりあるんだなあと。

好きなアーティストが多かったこともあるのですが、今回は二日目の特に後半がとにかく楽しくて、ああアニサマってそういえばこんなに楽しかったんだと。スクモからLiSAまでのアッパーな曲で攻めてくる流れのテンション振り切れ具合に、休みの無さで死にそうになりながらめっちゃ盛り上がっていました。

あとの感想は長くなるのでかいつまんで箇条書きで。

1日目

デーモン閣下×GRANRODEOという他では見られないコラボで始まって、閣下の歌の上手さに圧倒されました。最後の挨拶で安部マリオのコスプレで出てきたりと閣下はお茶目さも兼ね備えてました。
・今年はトップバッターのGRANRODEOは去年を受けてか大人しく。でも「アウトサイダー」聞けて良かった。あれ実写キューティーハニーの曲だったのか……。
・休業で出演キャンセルした藍井エイルの代打ということもあってか、藍井エイルとそれぞれOP/EDをやったSAOの「Overfly」でこれまでに無いくらい感情ののった春奈るなの歌が聞けた気がします。
相坂優歌「セルリアンスカッシュ」がすごく伸びやかに歌っていてとても良かったです。今回のアニサマ通じて、私の中では一番のダークホースだったなあと。
・念願の「innocent promise」が聞けたTRUSTRICK。あれ、少年メイドの曲だと思って聞いてると中々くるものがあって好きです。そして「Recall THE END」みたいな激しい曲を歌っても、常に上品さが消えない神田沙也加から感じる育ちの良さよ。
・うわああああ種だああああってなった玉置成実「Believe」。世代だから仕方ない。山本陽介コラボの「ALL-WAYS」も良かったです。
・May'nはこれまでも色々なフェスで見る機会が多かったのですが、この日は今まで見た中でもベストのパフォーマンスだったと思います。喉を悪くしての休業明けでどうなのかなって思っていたら、完全復活というか、格が違うぞって感じの凄さでした。そしてマクロスFメドレーはそりゃもうねえ……という。「ライオン」、聞けてよかった。
ZAQはコンレボ2曲もとても盛り上がって良かったのですが、ピアノが出てきて何を演るのかと思ったら「hopeness」弾き語りがびっくりしすぎて。あれって弾き語りどころかそもそも人が弾くことすら考慮されていない曲だったような……。
村川梨衣Sweet Sensation」。りえしょんのあの歌声のエモさは絶対これからくると思います。そしてその後の相坂くんとの謎MCからコラボで「INSIDE IDENTITY」。その曲は(私が)盛り上がりすぎてあかん。
Suaraの前回の出演からの時間とこのステージに立てる意味を噛みしめるようなパフォーマンスが良かったです。「キミガタメ」は鳥肌モノ。
AKINO with bless4は流石のパフォーマンス。あとお兄ちゃんの求めてくるコーレス何を返せばいいかわからない!
・ALTIMA活動休止は好きだっただけにただただ残念。そもそもそれぞれ別の活動がある人たちのユニットだけに難しいのかなあとは活動ペースから思っていましたが......。KOTOKO×ALTIMAの「PRASMIC FIRE」が最後に聞けて良かった。
・そしてトリにシンデレラガールズ藍井エイル出演キャンセルでじゃあトリはと考えた時に可能性はあると思ってましたけど、正直こんなに感慨深い気持ちになるとは。最初の「M@GIC☆」から、シンデレラの空気感をアニサマに持ってきていて、ああこんなに人気のある大きなユニットになったのだなと。そしてこの曲は有無を言わさぬクライマックス感にあふれていて強いなあと。そこからの全体曲を外したメドレーも「GOIN'!!」の盛り上がりもなんかもうね。最後に歌われた「お願い!シンデレラ」、最初の出演の時にコールなんて周りが全然知らない中必死に叫んだあの曲と同じ曲なんだと思うと泣けてくるものがありました。何かのファンになって追いかけるとこういう瞬間に立ち会えるんだなと。
・そして最後の挨拶も当然デレマス仕切りになるわけですが、大舞台でも大体はニコニコして動じなかった大橋彩香がいつもよりだいぶ高い声でド緊張してることが見ている方にも伝わるように喋っていて、へごファンとしてはもう言葉も出ないよねっていう。本当に。

2日目

・まさか人生でB.B.クイーンズの「おどるポンポコリン」が生で聞ける日が来るとは思ってませんでした。
・Poppin’Party from BanG Dream!。凄い可能性があるんだよ! この子たち面白いよ! と1stライブで思ってはいたものの、SSAの大舞台、そして比較対象がアニサマバンドとなるとちょっとしょっぱいことになるんじゃないかという不安が正直あってですね。やっぱりまだ早いんじゃないかなとか、そういう。いやでも出てきて演奏が始まってすぐに吹っ飛んでいきましたねその辺。どれだけ練習してきたのか明らかに上手くなっていたし、会場に全然負けてなかった。本当に良いお披露目ができたなと、終わった時にはご覧いただけましたか皆様! っていう気分でした。「STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜」めっちゃいい曲だと思います。バンドリ良いですよバンドリ。
ユーフォニアムの流れは「トゥッティ!」が最高に盛り上がって最高でした。あの曲は本当にぶち上がるっていう表現がしっくりくるキラーチューンだと思います。あとあれが盛り上がると作詞作曲をしているZAQ天才でしょ!? って言いたくなるファン心理。
Lia鳥の詩」はこの前AIRの一挙放送の最後の方を見たばかりだったのでちょっと泣きそうに……。名曲。
早見沙織はあの人はなんですかね、Youはどうして声優に? と思ってしまう歌手としての圧倒的なポテンシャル。「ブルーアワーに祈りを」というノンタイアップバラードを初出場のあの場で入れてくる自信も頷けるパフォーマンスでした。上手いのはもちろん上手いのですが、巧拙というか歌い出した瞬間の声からちょっとこれは別物ですよねというのが遺憾なく発揮された高垣彩陽とのコラボでの「Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ」。次元が違うというか、こんなもの聞かせて頂いてありがとうございますという何かでした。フルオケバックにコンサート、いつかやってほしい。
・「Hey!カロリーQueen」から「ライスとぅミートゅー」という食べものキャラを前面に押し出してきた竹達彩奈さんの衣装がどうしても霜降り肉にしか見えないと思っていたら、どうも肉をイメージした衣装だったらしくそこまでされたらもう脱帽です。
・FLOWは客席がとんでもない盛り上がりで相変わらず煽りが最高に上手くてめちゃくちゃ楽しかったです。ギアスやエウレカの曲を歌わずに、直近の3曲でここまで盛り上がるのかと。そして最後は定番の「GO!!!」。問答無用でしょう。
・fhanaはインタビューで結成エピソードを知っていたので、Liaコラボで「時を刻む唄」は本当に良かったねえと。
大橋彩香おしえてブルースカイ」は前日のプレッシャーから開放されたのか、非常にのびのびと楽しそうに歌っていて良かったです。やっぱりはっしー良いなあと。
SCREEN modeが盛り上がる2曲で攻めてきて、前半で1曲かあと思っていたTRUEがせり上がってきて「Divine Spell」が始まってうおおおおとなって、OxtClattanoia」で更にテンションが上ったところに内田真礼の「創傷イノセンス」が始まって、さらにレスキュー! もして鈴木このみが出てきて「Beat your Heart」ってもう殺す気かっていうね。このみんはついにトリ前まで来ましたよ。CDよりライブの方が良いのが常の人ですが、「Redo」、ほんっとうにかっこ良くて素晴らしかった。ここで代表曲が更新されたのは今後に繋がるなあと。
・トリは当然LiSA……と思ったらロゴがGirls Dead Monsterに変わってmarinaが出てきて「Crow Song」が始まるという脳の処理が追いつかない何かが起きた。ここで復活!? え、マジで!? って。
・LiSAは「シルシ」が魂こもったというか、このステージに何かを刻みこむような圧倒的な表現でした。LiSAはアニサマ出演最後の頃の水樹奈々とか、そういう人たちを見ていて感じたような格の違う領域にもう半歩以上入っているのかもなあと感じます。

3日目

・流れ的にそうなんだろうとは思いつつ筋肉少女帯×angelaにびっくりする開幕。
・地球防衛部は登場前にあの変身バンクが流れたりMCが盛大に事故ったりと色々大変なことになっていましたが、とにかく目の前を顔の良いクソリプマンこと梅原裕一郎が通っていってやばかったです。あいつ生で近くで見ると余計に顔が良いな……。
戸松遥「Q&Aリサイタル!」本当に盛り上がる曲で田淵さん凄いなって。えるおーぶいいーはるか!
・元(?)μ's3人連続の流れは、これも今年のテーマである「刻」の刻み方なのかなと。
黒崎真音X-encounter」、やっぱり格好いいし「レイヴンズ!」と叫べて楽しかったです。
・Minamiさんは色々あったここ最近を全部飲み込んで、名前も変えてもう一度進もうとする人の強さみたいな、これまでになかったものが見えて凄かったなと。登場した時に会場から「おかえりー!」という声がかかっていたのも何だか良かったです。
TrySailはパフォーマンスも良かったですが、それよりMCでもちょのソロデビューが発表されて!!?? って。告知にめっちゃ緊張して楽屋で何度も練習していたことをバラされて怒るもちょは小学生みたいでした。まあもちょだし。
西沢幸奏は去年のシクレと言いつつも艦これ枠のお客様という立ち位置から、西沢幸奏としての改めてのステージ。「吹雪」はもちろん大ヒットしたのですが、ギターを掻き鳴らして歌うこの人こそ凄いポテンシャルを秘めていると思っていて、だからこそ滅茶苦茶期待していたし、この3万人弱に見せつけてやってほしいと思っていたのですが、やってくれました。「Brand-new World」「The Asterisk War」の2曲、本当格好良かった。素晴らしかったと思います。お前は何だと言われそうですが、終わった後で私はどうだこれが西沢幸奏だとドヤ顔していたと思う。
蒼井翔太、やっぱこの人は凄いなあと。特に「絶世スターゲイト」は生歌で聞くとこんな曲になるのかとびっくりしました。
アニサマという場にあって、その空気の中にお邪魔しますというのではなく、アニサマの場を自分の領域にしてしまうアーティストが何組かいるのですが、ALI PROJECTの出てきた瞬間にそこはアリプロの世界という強さは本当になんなのだろうと。アリカ様は結構MCを崩して喋ってそれが毎度面白いのですが、それでもこの世界観はゆらぎもしないというのが久々に見ましたが凄すぎるなあと思いました。プチミレの時にアリカ様がせり上がってきてコラボすることを期待していた「緋ノ糸輪廻ノGEMINI」ですが、こちらの世界にプチミレの二人が和装で入ってくるという趣向で素晴らしかったです。もうなんというか、魔女と2体の少女人形みたいなあの画の完成度たるや。そしてラストにまさかの「亡國覚醒カタルシス」で歓喜。やっぱ私アリプロ好きだわと思ったステージでした。
・大トリはangelaキングレコード再編で統合消滅したスタチャへの思いを叫んだ最後のあいさつも熱かったですけど、angelaの全てをぶつけるようなステージもまあ凄かったです。この人たちいつこんなに凄くなったっけっていう。「DEAD OR ALIVE」のファフナーの全てをぶつけてくる感じも、会場を赤青にわけさせておいての「KINGS」も「Shangri-La」から「騎士行進曲」の流れもラストの「シドニア」もまあ熱かった。「シドニア」「騎士行進曲」はほぼほぼ軍歌みたいなものなので、あの客席の人数が合唱するとちょっと異様な迫力があります。

魔法少女まどか☆マギカ 魔獣編 2 / Magica Quartet・ハノカゲ

魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編] (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編] (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

前後編と新編の間をつなぐ「魔獣編」ということで、まどかが変えた世界、つまり魔獣のいる世界がどんなところであったかを描くと同時に、これはほむらがどうして新編の状況に追い込まれていったかを描く物語だということは最初から分かっていて。
いやしかしそれにしたってこういう追い詰め方をしてくるのかと思いました。ほむらだけが「鹿目まどか」が存在したことを知っている。ほむらだけが魔獣のいる世界の魔法少女たちとそもそもの成り立ちが違う。そして、ほむらがこの世界で手にした力は記憶を操作する魔法。
自分自身の記憶への疑いがまどかという信じるものの確からしさを奪い、それでも誰も存在すら信じないまどかを救うことに縋り続けるしかない。そこに人の記憶から人間の形を見せる魔獣が現れて、それはほむらの前で「まどか」の姿を取る。それが嘘だということも、「まどか」の言葉が自分に都合の良いものだと分かっていても、彼女は救いを求めてしまった。
あの新編に向かってほむらが何を経験して、どう変わっていったのか。それを考えるととても納得できる物語ではあるのですが、それにしてもえぐい展開だと感じる一冊でした。次が最終巻になる3巻、あのスタートラインにどのように着地するか期待しています。

NEW GAME! 4、5 / 得能正太郎

相変わらずかわいいと百合とお仕事でできている4コマですが、巻を重ねるごとに面白くなってきている気がします。特にお仕事部分がすごくキラキラしていて……そうか仕事ってそういうものか………そうだよなみたいな気分になれるので、特に夢もなく就職して仕事が嫌いな全ての人は読んで眩しくて直視できないこの気持ちを味わえばいいと思う。
そしてそれは迷いながらも青葉が自分の夢を仕事に選んだというところがそもそもにあるんだなと、描き下ろしスピンオフで青葉やねねの高校時代を描いた5巻を読んで思いました。ゲームにハマって、ゲームデザイナーを夢見て、悩んだ末に美大という可能性を蹴ってまで進んだゲーム会社就職という道。それは簡単に選べないリスクのある道でもあったはずで。
少しずつでも夢にむかって進んでいきたいと決めた彼女だからあんなに真っ直ぐに仕事に取り組めるし、その彼女の努力に対してしっかりと返すことができる環境がイーグルジャンプという会社にはあった。それは都合の良すぎるくらい幸せな出会いだとも思いますが、ただ甘やかされている訳ではないし、これがどちらが欠けても生まれない理想的な仕事の形なのかなあと思ったりも。夢を追って足を踏み入れた世界で一緒に目標に向かえる同僚がいて、ずっと憧れていた上司の背中を追いかけられて、辛いことや壁に当たることがあっても一歩ずつの成功を噛みしめて前を向いて成長していけるって、それはもう。
キャラクターデザイナーを任されながら、外向けのキービジュアルは名の売れたコウにするという会社の判断というに当たって、たとえ出来レースであってもコンペを求めて、そこで自分が悩んで同僚に支えられて仕上げた作品とコウの仕上げた作品のレベルの差に悔し涙するとかなんだこれ眩しいぞと……。他にも、リーダーを任せられたコミュ力0なひふみの頑張りとか、デバッグバイト経験から自分でゲームを作ろうとしてその道を仕事に選ぶことを決めたねねとか、なんでもいきなり上手くはいかないけれどちょっとずつ成長して進んでいく姿はひたすらキラキラとしていて、本当にこの作品は素敵なお仕事ものになっていると思います。
そして作中が輝けば輝くほど、どうして世界はこんなふうにキラキラしていないんだろうと思うところが……あ、いや、はい。

AYA UCHIDA Complete LIVE 〜COLORS〜 @日本武道館

最初に内田彩のソロでのライブを見たのは一年半くらい前のアップルナイト。そこからイベント被りで行けなかったツアーを除けば1st、2ndと見てきて、ずっと思っていたことがあって。それは、μ'sであれだけ歌って踊って揺るがないパフォーマンスを見せられる人が、どうしてソロになるとこんなにふにゃふにゃした感じになってしまうのかと。MCならばそれも内田さんの味なのですけど、ライブパフォーマンスもそんな感じだと、悪くはないけれどしっかり地に足がついてないような、そんなもどかしさがあるというか。
たぶん、キャラクターが入るとそれによってしっかり足場が固まるけれど、ソロデビューは嫌だったと明言している状態で本人としてステージに立っても、足場はそりゃあグラグラだったのでしょう。だから、内田彩役の内田彩さんの確立が急務なのではなんて思ったりもしていたんですけど、そんなもの必要なかったんだと。デビュー以降4枚のアルバムと数多くのライブを重ねた生き急ぐような活動の中で、内田彩内田彩として武道館のステージに一人で立つことができる、それだけのものを本人とスタッフとファンで積み重ねてきたのだと、そう思い知らされたライブでした。良くなった。本当に良くなった。もっとできるはずなんだと感じていた期待値を超えて、バンドを従えて歌う姿はぐっとくるものがありました。
持ち歌34曲を全曲演るという武道館ライブ。内田さんなら34曲やるといったらメドレーとかではなくやるのだろうと思った通りに、アンコールなしの真っ向勝負でやりきった3時間超。まずはバンド無しで小道具を取り入れた演出の序盤から、広い空間を1人ステージの上でしっかり掌握している感じがして成長ぶりにびっくり。
そしてバンドが入ってからの『ONE WAY』『afraid...』という格好いい曲で攻めていくところも非常に良かったし、そこからデジポップのコンセプト盤だった『Sweet Tears』の曲をバンドアレンジで連発するのには驚きました。『リードを外して』のイントロでギターがギュインギュインいっていたのはちょっと凄かった。それから『ピンク・マゼンダ』のバンドアレンジはもうこれを聞けただけでも武道館行って良かったなと。
そしてあれとあれとあれがまだ残ってるな……という終盤は本当に凄い盛り上がりでした。『キリステロ』のイントロからのシンガロングで会場が爆発したみたいになって、ああこの人はこんなライブができるようになったんだと感極まるものが。ギター、ベース、ギターと4人並んで歌う姿に、ここまで追いかけて良かったなと。
そんな感じで、今時点のアーティスト内田彩というものが全て表現されたライブだったと思います。歌の上手さというよりも感情の乗せ方が特徴的で、バックグラウンドとして声優、役者としての内田彩というものを感じられるのが印象的でした。あとはバンドメンバーが楽しそうだったのも。1stツアーも終えて、凄く良いチームになってきているのだなと。
今まで何回か見てきて、正直ソロはこういう感じならもう十分満足かなと思っていたのですが、こんなもの見せられたらまだまだ追いかけなくちゃならないでしょうと思ったライブ。内田彩内田彩としてここまで来て、じゃあこの先どこまで行けるか、それを見られることがとても楽しみです。