アイドルマスターシンデレラガールズ WILD WIND GIRL 1 / バンダイナムコエンターテインメント・迫ミサキ

アイドルマスター月刊少年チャンピオンという異文化の大陸を暴走族アイドル向井拓海が橋渡しした鬼子みたいな作品なのですが、これがどうしてド王道を行く物語になっていて面白いです。ヤンキーとアイドルってもしかして非常に親和性が高いのでは。というか大体似たようなものなのでは。
時代錯誤な暴走族の特攻隊長をやっていた拓海が子猫絡みというまたベタなあれでひょんなことから関わることになったアイドルの世界。最初はアイドルの世界をヒラヒラチャラチャラした格好をして、変なことして笑いものになるような仕事だとバカにしていた拓海ですが、穴埋めで参加した最初の仕事でステージサイドから見たライブの熱量が忘れられず、プロデューサーの挑発にも血の気の多い性格からまんまとのっかり、そのままずるずると仕事をするような形に。ただ、それもどこか中途半端というか、同僚アイドルの仕事潰した分のケツ持ちだとかなんやかんや理由をつけていつでも手を抜けるような姿勢で。
けれど、同僚の藤本里奈の前向きな姿勢だったり、一緒に仕事した年少アイドル組のプロの仕事だったり、そういうものを見たところに、プロデューサーから逃げるのかと煽られ、走ることは楽しいけれどその先にやりたいことがあるわけでなかった拓海がアイドルとして天下とったると腹を決めるところまでがこの巻。まさに王道というか何というか。
どう見てもチンピラでクズなんだけど割とやるときゃやるっぽいPと、喧嘩っ早く血の気が多いアイドルの組み合わせは、顔を合わせば怒鳴りあうわ拓海の方がすぐに手を出すわでアイドルとはみたいな気分にもなりますが、これがまた中々いいコンビでそういう面でもこれからに期待。あと土方系ギャルアイドルというデレマス本当になんでもありだなの実例の1人な藤本里奈がこんなに良いキャラしていたのかとびっくりしました。もはやギャル言葉ですら無いあの口調でゆるゆるそうに見えて自分は頭悪いと言いながらも、自分のやりたいこと、そのために必要なこと、やられたくないことに対してしっかり芯があって裏表なく前向きっていうのはなかなか格好いいなと思いました。
そんな感じに、塩梅良くオラついた感じがとても読んでいて気持ち良いものがあるマンガでした。意外というか必然というか、なんやかんや生まれるべくして生まれた、みたいな感じ。これは次巻も楽しみです。

東京レイヴンズ EX4 / あざの耕平

ブルーレイ特典だった大友と鈴鹿の話に、十二神将たちそれぞれの掌編を加えた短編集。
鈴鹿の話である「lost-girl with cat」は本当に好きで鈴鹿の魅力がよく出た話だったと思うので、こうやって短編集に収録されて良かったです。そして大友の話も片足を失った黒子時代の最後、最初の芦屋道満戦というまた美味しい話を特典につけていたのだなあと。
他の十二神将たちの物語も掌編ながらそれぞれの個性や魅力がきっちり出ていて、本編ではメインどころには来ない彼ら彼女らですが、それぞれに主役級のポテンシャルを持っているのだなと思いました。本編だけでも今大変なことになっているところではありますが、こんなものを読まされたら、十二神将のスピンオフももっと書いてくれないかな、でも本編の続きも早く読みたいなと贅沢な希望を抱きたくなるゆな一冊でした。良いものだった。

スペース金融道 / 宮内悠介

スペース金融道

スペース金融道

人類が最初に移住に成功した惑星である二番街を舞台に、審査は緩いが金利は高いヤミ金業者の二人組が主にアンドロイドの債権者を「宇宙だろうと深海だろうと核融合炉内だろうと零下190度の惑星だろうと」取り立てるSFコメディ連作短編。
量子経済学やなんやの経済理論にアンドロイドや人あらぬものたちと人類の共生といった何だか難しげなSF要素もありつつ、ぶっ飛んだアイデアと斜め上の展開とぼくと上司であるユーセフの関係の面白さがコメディしていて楽しい一冊でした。まあ、小難しいところは賢い人の考えることはようわからんと思って読んでいれば、主人公であるぼくもさっぱりわからんと反応してくれるので問題ない……はず。まあ、たいていその後にユーセフに馬鹿にされ扱き下ろされるわけですが。
取り立てのためならその無闇に高いスペックを使ってなんだってするユーセフが、命の危険も迷惑ごともガンガンぼくに投げつけつつ前に進んでいくのですが、たまに優しさを見せるような、見せないような、抱えた過去の傷を見せるような、見せないようなその絶妙なバランスと。罵倒されひどい目にあい文句を言いながら、なんだかんだでユーセフを信頼してるような気がしなくもないぼくの関係も良かったです。意外とちゃっかりしていたり、その割に面倒事にあっていたり、自己評価高くないけどなんだかんだとんでもない能力持ってるよねというところだったり、破茶目茶なのに嫌な感じがなくて良い感じ。
投げ込まれる経済とアンドロイドとなんかそれ以外のアイデアの数々は、斜め上へと展開を持っていくのですが、ただとにかく勢いでというよりはしっかり計算された上で斜め上へ伸びているといった印象。それにしたってコンピュータ内の人工生命への金の貸付からその世界にダイブした上で最後は地獄に向かったり、アンドロイドたちのカジノ船で紙切れ(保証がないほど金融商品としては良い……らしい)で作った新通貨で経済的狂乱を巻き起こしたり、寄生虫に脳内で話しかけられてたらナノマシンで世界の危機だったりとなかなかぶっ飛んだ話ばかりだったと思います。でもこの作者が書くと何か凄く頭のいい、高尚っぽい雰囲気を受けるのは単に私が馬鹿なのか。
あとは、アンドロイド関連の話に感じる、人間に対する信頼というか愛着というか、なにか断ち切れない感傷みたいなものが印象的でした。合理性に偏らないための経験主義原則。アンドロイドの無意識として位置づけられた、人間のネットワーク。そこに接続を許されないアンドロイドたちの暗黒網。突き詰めて突き詰めていくことへのブレーキと、突き詰めきった先に何があるのかは、ユーセフの金融への考え方もアンドロイドの理想もオーバーラップする部分があって。最後の「スペース決算期」でのゲベイェフの辿った結末は、その辺りも相まって良い悪いではなくて、なにかすごくセンチメンタルなものを感じました。
その一編は特に顕著ではありましたが、作品全体としても荒唐無稽やことをやる中で、そういう質感というか手触りがちょくちょくと顔を出す、そういうところが特徴的な一冊だったと思います。

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story 9/3・4 @ 神戸ワールド記念ホール

両日LVで見てきましたデレ4thの神戸公演。とにかく楽しいライブだったと思いつつ、まず演出というか仕掛けの部分でびっくりしたというか感心したのでその辺の感想を。


シンデレラは765ASはもちろん、現状で全アイドルに声がついたミリオンやSideMとも違って、ひたすらにアイドルの人数が多くて、まだ曲が無いどころか声もついていないアイドルもたくさんいます。でも、これまではメインどころのメンバーは決まっていて、彼女たちがライブを引っ張ってきたしシンデレラの中心だった。
それは当然のことだと思いますが、ただ、シンデレラガールズというコンテンツはそれだけではいけないはずなのです。全てのアイドルには彼女たちのプロデューサーがいるのがシンデレラガールズなのだから。であれば。今回の4th、特にメインメンバーを外してきたSSAの1日目で、「誰が出て何を歌ってもシンデレラガールズのライブ」という一つのパッケージを作らないと、この先の未来は見えてこないかなあという気がしていました。
それが、まずこの神戸でモバマスでもアニメでもない、デレステというもので一つのライブを成立させられるということが示せた。そして、それ以上に演出の面で、シンデレラでしかできない、シンデレラに必要なことをやってきたのが、何よりも大きかったと思うライブでした。
後ろのLEDで出れすてモデルが踊るという演出。それ自体は例えば初音ミクのライブなどでもずっと取られている手法に近いですが、同じステージで、同じ扱いの存在として声優(中の人)とキャラ(外の人)が共存する、それはその関係性が特殊なこういうコンテンツのライブだからこそできる仕掛けだったと思います。最初の「S(mile)ING!」で真ん中で踊っている大橋彩香島村卯月だし、後ろのモニタで踊るのは渋谷凛本田未央だし、あれは間違いなくNGsだった、みたいな。
で、その真価はライブが進むに連れて見えてきました。キャスト全員が揃わなかったユニットは、揃わなかったキャストのキャラクターが後ろで踊るみたいなこともできれば、曲どころか声もまだついていないアイドルがバックダンサーでデビューすることだってできる。何が凄いって、ライブデビューするんですよ。確かにあのステージで何人ものアイドルが初出演したんですよ。シンデレラガールズのアイドルは、曲がある子だけでも、声がついた子だけでもなくて、約200人全員だっていうことがライブイベントにおいても示された訳ですよ。これはとても大きい思いますし、デレステの大きな功績だと言っても良いんじゃないかと。
そしてそれを逆手に取るように、5人中4人が出演していた炎陣で木村夏樹が踊っていたところからのまさかの安野希世乃登場というサプライズ。次元の壁を揺るがしていくこういうことができるというのも、新しい扉を広げて演出の幅が広がったと感じる瞬間でした。これからが楽しみ。


ライブ全体的には、3rdで見せたショウ的な路線に行くのかと思っていたら、バラエティ方面に進化したという感じでした。まるでバラエティ番組を見ているみたいな面白さの種類。高森奈津美三宅麻理恵といった面々が一門の一門たる所以を見せつけていくMCに、「ショコラ・ティアラ」の最後で取り出したマシュマロむしゃむしゃしながら「ましゅまろキッス」を踊る大坪由佳という存在自体が面白い何かがあったりと、とにかく楽しい気分になるライブだったと思います。個人のパフォーマンスはもちろん前提としてあるのですが、そこだけで勝負をすることはしない、全体として面白いものをというのもまたシンデレラの特性にあったものだと感じました。


あとは、個別に印象に残ったところの感想を。
・曲的にMVPだったのは「Love∞Destiny」。初めてフルで公開された曲の特にCメロからの格好良さ、そして牧野由依佐久間まゆから滲む情念みたいなのが素晴らしかったです。牧野さんのまゆはかわいいのに時折ゾワッとくる感じが見事としか言いようが無いです。
・サプライズで5人揃った炎陣も良かったです。今までなかったパワータイプの集まりという感じ。推しが強いというか圧が強い感じが「純情midnight伝説」に合っていてとても良かったし、サプライズのなつきち登場からの5人の「Rockin' Emotion」も素晴らしかった。良いユニットが生まれたなあと思います。
・最初のMCで見せたアニサマとはうって変わったホーム感から最初のソロで「S(mile)ING!」ではっしーが歌い出した瞬間、余裕というかなんというか、3rdのあの「S(mile)ING!」から先に進んだ島村卯月がここにいるなあと感慨深く。あと、感情が歌にのるようになったなあと。
春瀬なつみさん、出てきた瞬間に龍崎薫。歌っても龍崎薫、踊っても龍崎薫、動き全てが龍崎薫。もう見た目の雰囲気から存在が龍崎薫でびっくりしました。とんでもなかった。薫はデレステで最初の頃にSRを引いて使っていて、本当にめっちゃ良い子で好きなキャラになっていたので、これはちょっともうヤバいと思いました。よく見つけてきてキャスティングしたなというかなんというか。会場とLVのせんせぇの皆様が成仏していないか心配です。
・「ハイファイ☆デイズ」は盛り上がらない訳がなく、その通り盛り上がりました。そして完全にみりあと千枝と薫だった。いつか是非5人全員で見たいです。
・ハイファイのランキングで松田颯水さんが星輝子を1位にしてあげられて良かったと泣いたMCは、胸にくるものが。ああ彼女らはそういう競争の世界で闘ってもいるのだなと、忘れがちなことを思い起こさせてくれた感じ。そして「毒茸伝説」はめっちゃ格好良かった。どんどん進化してると思います。
・「GOIN'!!!」はやはり強い。問答無用。
・「メルヘンデビュー」は両日相変わらず最高に盛り上がって変に涙腺を刺激する何かでした。出る前に出番が次のゆきんこにかけたという「あたためてくる」という言葉といい、生き様か、生き様なのか。
・初日の眼鏡の台座こと長島光那さんもまさに上条春菜って感じでした。赤のセルフレーム好き。


それから、2日目の「Snow Wings」。サプライズでのNGsではっしーが泣いたという話を。
大舞台でも、センターでも、とにかく動じない、泣かないというのがシンデレラのはっしーのイメージなんじゃないかと思うのですけど、3rd2日目のアニメを再現した流れで見せた涙、アニサマでのド緊張して上擦った声と、シンデレラを追いかけてる人にも、なんとなくここのところの変化は見えていたんじゃないかと思うのです。
でも、正直ここであんなに、今まで見たことがないほど泣くとは思ってなかった。
これまでの活動があって、そしてあのアニメがあって、大橋彩香にとっての島村卯月がどれだけ大きな存在になっていたのか。そして島村卯月にとってのNGs、渋谷凛本田未央がどれだけ大きな存在になっていたのか。今回シンデレラのライブとしては珍しくNGsとしては1人での参加だったところに、2人がああいうサプライズの形で隣に来たことが、島村卯月としてステージに立っている彼女にとって、どれだけの喜びと安心をもたらしたのか。そのシンクロ率の高さが、どの場面よりもあの場面での涙に繋がったのだろうなと。あそこで泣いていたのは、果たして大橋彩香だったのか、島村卯月だったのか、みたいな。
でもそれだけで今までのはっしーが泣いたかというと、きっと泣かなかったような気がしていて、やっぱりそれと同時に、大橋彩香という人の変化があると思うのです。1stアルバムからライブの時にも凄く感じたのですけど、感受性というか、感情表現というか、そういうものが、最近開かれつつある感じがしていて。今までの何でもソツなくこなすあの動じなさを生み出していたのは、本人の資質であると同時に、何に対しても一線を引くような、それをそれとして自分の心から切り離すようなスタンスだったと思います。でもそれが変わってきた。本人が「最近人間性を取り戻してきた」と言っているような変化。
そうやって感情を素直に出すようになってきたことで、こんなふうにすぐ泣くようになったり、彼女は脆くなるのかもしれません。でも表現者としての道を選んだ彼女にとって、それはとても大きな進歩なんじゃないかなと思います。そして、そうやって全部でぶつかれるだけの環境が今あって、支えてくれる仲間がいて、それをすることができる表現者としての活動、今回の島村卯月としてのライブのような、があるというのは、ファンとしては本当に喜ばしいことなんじゃないのかなと。
だから、今回この場面で見せた涙というのは、本当に重いと思います。また、ファンとしてそういう瞬間を追いかけていける、そしてその先にある可能性を見ることができるというのは、こんなに幸せなことはないと、改めて思いました。

メロディ・リリック・アイドル・マジック / 石川博品

これは良かった。良いものだった。
国民的アイドルグループ・LEDに反旗を翻す女子高生アイドルたちがしのぎを削る沖津区を舞台に、アイドルを始めた少女たちと、彼女たちのマネージャになった少年の物語。ですが、ちょっとこの独特の雰囲気をなんと表せば良いのか。
まず、この作品のアイドルってLEDという洗練された、反面作られたものでもあるメジャーとしてのアイドルがあって、それに対して反目するアイドルが吹き溜まる沖津区なわけです。なのでそこに感じるのは地下アイドル感というかインディー魂というか、ぶっちゃけパンクでロックンロール。ダイブしてモッシュしてリフトして熱狂! みたいなライブがいきなりぶっこまれるは、アイドルたちは歌って踊って客を殴ってみたいな。下手でも良い! やるかやらないかだ! 熱量! 反体制! LEDは死ね! みたいな。まさにパンク。
流石にアイドルだからかラノベレーベルだからかセックスドラッグロックンロールにはならないのですが(アコはチョコをキメていた気がしますが)、この限られた空間、限られた時間、その中で何かが爆発する青春の熱狂みたいな手触りが、石川博品らしい少年少女の描写と相まって本当に素晴らしいです。拙いとかプロフェッショナルじゃないとかそういうことではない、合理的かどうかも関係ない、井の中の蛙でも良い、むしろ井の中だから良い、そういう感じ。先輩を見てきてアイドルをやろうとしたアーシャがいて、過去に闇を抱えているアコがいて、アコの歌でまさしく沼に落ちてマネージャになったナズマがいて、プロデューサーを受けた国速がいて、何かがどこかで触れれば火がつくような、そして実際火がついた、そういう刹那の時間。その中で、アイドルになるということ。

やるかやらないか、それだけだ。
下火はずっとアイドルを夢見ていた。だが百合香のいうとおり、いますぐやればよかったのだ。やらなきゃアイドルじゃないし、やってしまえばアイドルだ。

この青春にしか許されない、青春の全てであるような感じ。少年がいて少女がいて、彼女たちはこの時アイドルだった、そういう物語でした。小説的には大分アンバランスな感じがするのですが、その辺りも含めて、ああ青春だなと思うような一冊。
あとそんな熱狂の中にあっても意外とみんな外の世界、ここを出た後のことは考えているフシがあるのも絶妙にリアル感があって面白かったです。そして外の世界を彼ら彼女らが否定しても、作品としては否定することはないですし。
そしてこのタイトル。「メロディ・リリック・アイドル・マジック」。まさにそういう話だったなあと。素晴らしかったです。

Animelo Summer Live 2016 8/26・27・28@さいたまスーパーアリーナ

Animelo Summer Live 2016 刻 -TOKI- | アニメロサマーライブ2016
毎年今年はもういいかなあと思いつつも足を運び、終わってみればやっぱりアニサマ最高や! となるのが恒例となっているアニサマ。今年はラインナップ的にもいわゆる卒業組以外にもビッグネームで出場しないアーティストが多くて、正直アニサマとしてどうなのかなあと思うところもあったのですが、蓋を開ければやっぱりアニサマアニサマでした。あのお祭り感と有無を言わさぬ規模感、そして演出から運営までのレベルの高さは、世界最大のアニソンフェスの名は伊達じゃないと手のひらぐるぐるですよ。出場アーティストがどこのアニソンフェスに行っても同じような面々になる昨今にあっても、アニソン界最大のお祭りとして12年積み上げた特別感というか、アニサマの空気ってやっぱりあるんだなあと。

好きなアーティストが多かったこともあるのですが、今回は二日目の特に後半がとにかく楽しくて、ああアニサマってそういえばこんなに楽しかったんだと。スクモからLiSAまでのアッパーな曲で攻めてくる流れのテンション振り切れ具合に、休みの無さで死にそうになりながらめっちゃ盛り上がっていました。

あとの感想は長くなるのでかいつまんで箇条書きで。

1日目

デーモン閣下×GRANRODEOという他では見られないコラボで始まって、閣下の歌の上手さに圧倒されました。最後の挨拶で安部マリオのコスプレで出てきたりと閣下はお茶目さも兼ね備えてました。
・今年はトップバッターのGRANRODEOは去年を受けてか大人しく。でも「アウトサイダー」聞けて良かった。あれ実写キューティーハニーの曲だったのか……。
・休業で出演キャンセルした藍井エイルの代打ということもあってか、藍井エイルとそれぞれOP/EDをやったSAOの「Overfly」でこれまでに無いくらい感情ののった春奈るなの歌が聞けた気がします。
相坂優歌「セルリアンスカッシュ」がすごく伸びやかに歌っていてとても良かったです。今回のアニサマ通じて、私の中では一番のダークホースだったなあと。
・念願の「innocent promise」が聞けたTRUSTRICK。あれ、少年メイドの曲だと思って聞いてると中々くるものがあって好きです。そして「Recall THE END」みたいな激しい曲を歌っても、常に上品さが消えない神田沙也加から感じる育ちの良さよ。
・うわああああ種だああああってなった玉置成実「Believe」。世代だから仕方ない。山本陽介コラボの「ALL-WAYS」も良かったです。
・May'nはこれまでも色々なフェスで見る機会が多かったのですが、この日は今まで見た中でもベストのパフォーマンスだったと思います。喉を悪くしての休業明けでどうなのかなって思っていたら、完全復活というか、格が違うぞって感じの凄さでした。そしてマクロスFメドレーはそりゃもうねえ……という。「ライオン」、聞けてよかった。
ZAQはコンレボ2曲もとても盛り上がって良かったのですが、ピアノが出てきて何を演るのかと思ったら「hopeness」弾き語りがびっくりしすぎて。あれって弾き語りどころかそもそも人が弾くことすら考慮されていない曲だったような……。
村川梨衣Sweet Sensation」。りえしょんのあの歌声のエモさは絶対これからくると思います。そしてその後の相坂くんとの謎MCからコラボで「INSIDE IDENTITY」。その曲は(私が)盛り上がりすぎてあかん。
Suaraの前回の出演からの時間とこのステージに立てる意味を噛みしめるようなパフォーマンスが良かったです。「キミガタメ」は鳥肌モノ。
AKINO with bless4は流石のパフォーマンス。あとお兄ちゃんの求めてくるコーレス何を返せばいいかわからない!
・ALTIMA活動休止は好きだっただけにただただ残念。そもそもそれぞれ別の活動がある人たちのユニットだけに難しいのかなあとは活動ペースから思っていましたが......。KOTOKO×ALTIMAの「PRASMIC FIRE」が最後に聞けて良かった。
・そしてトリにシンデレラガールズ藍井エイル出演キャンセルでじゃあトリはと考えた時に可能性はあると思ってましたけど、正直こんなに感慨深い気持ちになるとは。最初の「M@GIC☆」から、シンデレラの空気感をアニサマに持ってきていて、ああこんなに人気のある大きなユニットになったのだなと。そしてこの曲は有無を言わさぬクライマックス感にあふれていて強いなあと。そこからの全体曲を外したメドレーも「GOIN'!!」の盛り上がりもなんかもうね。最後に歌われた「お願い!シンデレラ」、最初の出演の時にコールなんて周りが全然知らない中必死に叫んだあの曲と同じ曲なんだと思うと泣けてくるものがありました。何かのファンになって追いかけるとこういう瞬間に立ち会えるんだなと。
・そして最後の挨拶も当然デレマス仕切りになるわけですが、大舞台でも大体はニコニコして動じなかった大橋彩香がいつもよりだいぶ高い声でド緊張してることが見ている方にも伝わるように喋っていて、へごファンとしてはもう言葉も出ないよねっていう。本当に。

2日目

・まさか人生でB.B.クイーンズの「おどるポンポコリン」が生で聞ける日が来るとは思ってませんでした。
・Poppin’Party from BanG Dream!。凄い可能性があるんだよ! この子たち面白いよ! と1stライブで思ってはいたものの、SSAの大舞台、そして比較対象がアニサマバンドとなるとちょっとしょっぱいことになるんじゃないかという不安が正直あってですね。やっぱりまだ早いんじゃないかなとか、そういう。いやでも出てきて演奏が始まってすぐに吹っ飛んでいきましたねその辺。どれだけ練習してきたのか明らかに上手くなっていたし、会場に全然負けてなかった。本当に良いお披露目ができたなと、終わった時にはご覧いただけましたか皆様! っていう気分でした。「STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜」めっちゃいい曲だと思います。バンドリ良いですよバンドリ。
ユーフォニアムの流れは「トゥッティ!」が最高に盛り上がって最高でした。あの曲は本当にぶち上がるっていう表現がしっくりくるキラーチューンだと思います。あとあれが盛り上がると作詞作曲をしているZAQ天才でしょ!? って言いたくなるファン心理。
Lia鳥の詩」はこの前AIRの一挙放送の最後の方を見たばかりだったのでちょっと泣きそうに……。名曲。
早見沙織はあの人はなんですかね、Youはどうして声優に? と思ってしまう歌手としての圧倒的なポテンシャル。「ブルーアワーに祈りを」というノンタイアップバラードを初出場のあの場で入れてくる自信も頷けるパフォーマンスでした。上手いのはもちろん上手いのですが、巧拙というか歌い出した瞬間の声からちょっとこれは別物ですよねというのが遺憾なく発揮された高垣彩陽とのコラボでの「Komm, süsser Tod〜甘き死よ、来たれ」。次元が違うというか、こんなもの聞かせて頂いてありがとうございますという何かでした。フルオケバックにコンサート、いつかやってほしい。
・「Hey!カロリーQueen」から「ライスとぅミートゅー」という食べものキャラを前面に押し出してきた竹達彩奈さんの衣装がどうしても霜降り肉にしか見えないと思っていたら、どうも肉をイメージした衣装だったらしくそこまでされたらもう脱帽です。
・FLOWは客席がとんでもない盛り上がりで相変わらず煽りが最高に上手くてめちゃくちゃ楽しかったです。ギアスやエウレカの曲を歌わずに、直近の3曲でここまで盛り上がるのかと。そして最後は定番の「GO!!!」。問答無用でしょう。
・fhanaはインタビューで結成エピソードを知っていたので、Liaコラボで「時を刻む唄」は本当に良かったねえと。
大橋彩香おしえてブルースカイ」は前日のプレッシャーから開放されたのか、非常にのびのびと楽しそうに歌っていて良かったです。やっぱりはっしー良いなあと。
SCREEN modeが盛り上がる2曲で攻めてきて、前半で1曲かあと思っていたTRUEがせり上がってきて「Divine Spell」が始まってうおおおおとなって、OxtClattanoia」で更にテンションが上ったところに内田真礼の「創傷イノセンス」が始まって、さらにレスキュー! もして鈴木このみが出てきて「Beat your Heart」ってもう殺す気かっていうね。このみんはついにトリ前まで来ましたよ。CDよりライブの方が良いのが常の人ですが、「Redo」、ほんっとうにかっこ良くて素晴らしかった。ここで代表曲が更新されたのは今後に繋がるなあと。
・トリは当然LiSA……と思ったらロゴがGirls Dead Monsterに変わってmarinaが出てきて「Crow Song」が始まるという脳の処理が追いつかない何かが起きた。ここで復活!? え、マジで!? って。
・LiSAは「シルシ」が魂こもったというか、このステージに何かを刻みこむような圧倒的な表現でした。LiSAはアニサマ出演最後の頃の水樹奈々とか、そういう人たちを見ていて感じたような格の違う領域にもう半歩以上入っているのかもなあと感じます。

3日目

・流れ的にそうなんだろうとは思いつつ筋肉少女帯×angelaにびっくりする開幕。
・地球防衛部は登場前にあの変身バンクが流れたりMCが盛大に事故ったりと色々大変なことになっていましたが、とにかく目の前を顔の良いクソリプマンこと梅原裕一郎が通っていってやばかったです。あいつ生で近くで見ると余計に顔が良いな……。
戸松遥「Q&Aリサイタル!」本当に盛り上がる曲で田淵さん凄いなって。えるおーぶいいーはるか!
・元(?)μ's3人連続の流れは、これも今年のテーマである「刻」の刻み方なのかなと。
黒崎真音X-encounter」、やっぱり格好いいし「レイヴンズ!」と叫べて楽しかったです。
・Minamiさんは色々あったここ最近を全部飲み込んで、名前も変えてもう一度進もうとする人の強さみたいな、これまでになかったものが見えて凄かったなと。登場した時に会場から「おかえりー!」という声がかかっていたのも何だか良かったです。
TrySailはパフォーマンスも良かったですが、それよりMCでもちょのソロデビューが発表されて!!?? って。告知にめっちゃ緊張して楽屋で何度も練習していたことをバラされて怒るもちょは小学生みたいでした。まあもちょだし。
西沢幸奏は去年のシクレと言いつつも艦これ枠のお客様という立ち位置から、西沢幸奏としての改めてのステージ。「吹雪」はもちろん大ヒットしたのですが、ギターを掻き鳴らして歌うこの人こそ凄いポテンシャルを秘めていると思っていて、だからこそ滅茶苦茶期待していたし、この3万人弱に見せつけてやってほしいと思っていたのですが、やってくれました。「Brand-new World」「The Asterisk War」の2曲、本当格好良かった。素晴らしかったと思います。お前は何だと言われそうですが、終わった後で私はどうだこれが西沢幸奏だとドヤ顔していたと思う。
蒼井翔太、やっぱこの人は凄いなあと。特に「絶世スターゲイト」は生歌で聞くとこんな曲になるのかとびっくりしました。
アニサマという場にあって、その空気の中にお邪魔しますというのではなく、アニサマの場を自分の領域にしてしまうアーティストが何組かいるのですが、ALI PROJECTの出てきた瞬間にそこはアリプロの世界という強さは本当になんなのだろうと。アリカ様は結構MCを崩して喋ってそれが毎度面白いのですが、それでもこの世界観はゆらぎもしないというのが久々に見ましたが凄すぎるなあと思いました。プチミレの時にアリカ様がせり上がってきてコラボすることを期待していた「緋ノ糸輪廻ノGEMINI」ですが、こちらの世界にプチミレの二人が和装で入ってくるという趣向で素晴らしかったです。もうなんというか、魔女と2体の少女人形みたいなあの画の完成度たるや。そしてラストにまさかの「亡國覚醒カタルシス」で歓喜。やっぱ私アリプロ好きだわと思ったステージでした。
・大トリはangelaキングレコード再編で統合消滅したスタチャへの思いを叫んだ最後のあいさつも熱かったですけど、angelaの全てをぶつけるようなステージもまあ凄かったです。この人たちいつこんなに凄くなったっけっていう。「DEAD OR ALIVE」のファフナーの全てをぶつけてくる感じも、会場を赤青にわけさせておいての「KINGS」も「Shangri-La」から「騎士行進曲」の流れもラストの「シドニア」もまあ熱かった。「シドニア」「騎士行進曲」はほぼほぼ軍歌みたいなものなので、あの客席の人数が合唱するとちょっと異様な迫力があります。