- 作者: 一柳凪,狐印
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/09/19
- メディア: 文庫
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4人の少女だけが残された女子寮。人の気配のない外の世界。何かリアリティが欠けたような舞台で、どこか違和感の残る幻想的なストーリーが紡がれます。決断することが苦手な主人公の、観念的になりがちな思考も併せて、フワフワした閉塞感に包まれる雰囲気作りは良い感じ。
その中でも、妙にラブラブな三角関係が勃発したりする百合模様は、ちょっと主張しすぎなキャラ造形と合わせて狙いすぎな感もありますが、理由も分かりますしその辺りは好き好きか。この雰囲気なら、もう少し落ち着けた方がいいかなと個人的には思ったり。
ミステリ的な解決は、読んでいて推理できるかと言われればできませんが、納得はできるような話ではあります。その辺りは「幻想」ミステリということで。理不尽さと悪趣味さをスパイスに、ロジカルなようでやっぱり幻想的な、この作品の雰囲気に合った幕引きだったと思います。
満足度:B