- 作者: TAGRO
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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TAGROの短編集。話的にはどれもとりたてて何かが起こるわけでもなくて、小さな出来事とか、小さな決心とか、そういったものを切り取ってきたような感じなのですが、ここに出てくる若者の話は突き刺さる人には思いきり突き刺さるんじゃないかなと。
この、センチメンタリズムとかノスタルジーとかエゴイズムとか、あと後ろ向きな何かとか、そんなものをいろいろ混ぜてちょっと濾過したみたいな空気を繊細に描いているところは個人的にはとても好みです。好みというよりも馴染むという表現が正しいような気も。綺麗な様で身勝手だし、身勝手な様で綺麗だし、なんだかぐじゃぐじゃしてて、でもそれが良いみたいな。
ただこの作品、女性の存在がかなり都合が良い気はするので、女性にはあまり好まれないかも。その辺含めて若い男の絶望のような救いのようなうだうだした何か、みたいなイメージではありますが。
短編の中では「R.P.E」のエキセントリックな女と主人公の会話のシーンが好き。あと、「トラベリング・ムード」はシンプルに素敵な話だったと思います。
あと、作品内容とは直接は関係ないのですが、トランキライザーとお酒を一緒に飲むのはとても危ないからダメ絶対です。本当に。