- 作者: 井上堅二,葉賀ユイ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2011/06/30
- メディア: 文庫
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1本目の「僕と子供と召喚獣」で、いきなり明久と雄二の子供ネタが始まったときは大丈夫か公式と思いましたが、そこから二人の子供をシミュレートした召喚獣をめぐってのドタバタ劇は楽しかったです。
2本目の「僕と姫路さんとある日の昼下がり」は、思わず悶えるラブコメ。ひとつ屋根の下で暮らすことになった明久と姫路さんのドキドキ展開に買い物デートに、お前ら早く付き合っちゃえよと思う一編でした。気がついたら明久が女性ものの下着を被ったりしていましたが、それはそれとして。
3本目の「僕と土屋家と揺れない心」は、要するに「動揺してはいけない土屋家」というか、「〇〇、アウトー」のあれ。雄二と明久にドッキリを仕掛けるという話になるのですが、美波のあまりに体を張ったネタにふきました。
4本目の「俺とケンカと不思議なバカども」は入学当初、雄二と明久の出会いの話。腐れ縁の始まりに何があったのか、ひねくれていた雄二にとって明久のバカ丸出しの真っ直ぐさがどのように映り、何を変えたのか。前3本とは打って変わって真面目な話でしたが、馬鹿なことばかりやっているいつもの面子を繋いでいる信頼の形が見えたような気がする、とても良い話でした。
そんな感じの4本。とにかく1本目や3本目のような、1ネタにそれぞれのキャラクターが絡むだけの話でこんなに面白くできるのだから、もはや無敵な感じすら漂います。バカテスは色々と開けっぴろげで下手をすれば品が無くなりそうなネタがちょくちょくあるのですが、そこを明るくカラッと健康的に描けて、しかもそこで色々悶えさせてくれる辺りが良いのかなと思います。2本目の姫路さんと明久の距離感なんかは、下手をすればエロコメになりかねないところを、爽やかでバカでキュンとくるラブコメにしていて、素晴らしかったです。
それと各短編の間に入っている特別コラム。ここにだけ登場の玉野さんがたった1ページで見せた破壊力といったら!