ホーンテッド! / 平坂読

ホーンテッド! (MF文庫J)

ホーンテッド! (MF文庫J)

なんか、このノリはとても合います。貸してくれた茶太郎がコモリには合うかもといってたのが分かる気がしました。
目の前で幼なじみが轢かれて肉塊になるという衝撃的な冒頭から、ゴーストとしてよみがえったその子と共に、ひたすらハイテンションで性根の曲がったラブコメを展開するプロローグ×3がいい感じ。捻くれたセンスがたいそう好みです。思わず読みながらにやにやしてしまいます。
本編は、生きることとか、死ぬこととか、あきらめることとか、選択することとか、嘘を吐くこととか、そんなこんなでひたすらに饒舌な一人称の戯言オンパレード。ビル爆破テロに巻き込まれ、死の淵で生きることとか死ぬこととか重たいことを結構真面目に考えてるような重苦しいはずの展開が、何でこうも薄っぺらくなるのでしょうか。あんまし深く掘り下げてないということもあるのですが、それ以前に主人公の嘘吐き体質が物語をかるーくしているような気がします。ラブコメというもう一つの軸まで最後の最後で外されてしまいますし。そんな感じでやたら軽く楽しく読めました。面白かったです。続きも読みます。
各所で西尾維新に似てる似てる言われてたのは納得。確かにこれは西尾維新をもっとずっと軽いノリでやったみたいな感じです。なんというか、本質的には全然違うような気がしますが。
満足度:B+