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純潔のマリア 1〜3、exhibition / 石川雅之

純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC)

純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC)

アニメがとても良かったので原作にも手を伸ばしました。
神も魔女もいた英仏戦争中世の時代を生きた、マリアという純潔の魔女の物語。アニメは傭兵団の男や教会の宣教師たちを始め多くのオリジナルキャラを出してこの時代に生きる人々を広く描こうとしてた印象ですが、原作の方はグッと登場人物少なくマリアにフォーカスしていくような感じ。
そしてこの物語は、時代だったり魔女だったりというものはありつつ、根のところではマリアという唯一人愛を知らずに育った少女の自己承認の物語だったのなあと思いました。英仏の戦線を魔法で引っ掻き回したり、天の教会や大天使ミカエルに睨まれてみたり、まあやっていることのスケールはびっくりするほどでかいのですが、マリアという少女が自分の生きる術を見つけられずにもがいて暴れて、最後には幸せになっちゃうそれだけの話という。
処女であるということだったり、自分の見えるところで争われるのが嫌で力があるだけにどうにかしようとしちゃったり、そのくせ自分の行動の目的が答えられなかったり、そういう子供っぽさ。それを、好きな人ができて、友だちができて、天の教会と対峙して、そして世界を受け入れて、自分を受け入れて、結ばれて母になる。幸せになる。失われるのは子どもの力として持っていた魔法。それが良いか悪いかは置いておいて、とてもオーソドックスな少女から大人へと向かっていく物語だったのかなと思いました。
まあそんなことは置いておいて、魅力的なキャラがわちゃわちゃ騒いでいるところだったり、世界観であったり純粋に見ていて面白いというのも良かったです。キャラクターについてはビブとエゼキエル。特に天から遣わされ、人のぬくもりに触れ変わっていくエゼキエルが、可愛くて不憫で。
だからこそexhibition。ラストエピソードは、物語としては語らなくても良かった、ある意味蛇足なオマケであるとは思うのです。ですが、ですがね。やっぱりこれを見せてくれたことで、ああ本当に良かったのだ。みんな救われて幸せになったのだと思わせてくれたのが大きいです。マリアに現実を説きながら、根っこの部分は似たもの同士の大馬鹿者だったビブがイギリスからフランスに来た頃の出会いの話も、ジョセフから見たマリアとの出会い(そして惚れた!)話も、どれも最高のデザートといえる番外編でした。いい話でした。