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花とアリス殺人事件 / 岩井俊二・道満晴明

感想 ☆☆☆☆ マンガ

一応コミカライズということになってるけどこれ原作とだいぶ違うんじゃない……? と映画を知らずに道満晴明が好きで読んだ人間としては思うのですが如何に。でも帯にも「わりと自由なコミカライズ!」と謳われているのできっとそうなんじゃないかとか。イェンタウン! とか唐突で強引な自然さで出てきますが。
そんなわけで「ニッケルオデオン」の中にあってもおかしくないような雰囲気で描かれる、少女たちの物語。ユダが殺された事件の真相、4人の妻の存在。ひきこもりのハナと出会い、それを調べるアリスという話なのですが、これがまたつかみどころがないというか、伏線だと思ったらさっくり手折られたりして、そのくせちゃんとミステリっぽい着地をしたと思ったら床が抜けたぞ! みたいな。
この年代の少女たちの恋をめぐる物語だから大きな事件のように見えて実のところ彼女たちの心がそう見せているだけのものであるようで、また同時にその年代の少女たちの物語であるからこそじゃんじゃん不思議な事が起こってもそれはそういうものでしかないようで。そういう、何が現実的で何がぶっとんでるのかがふわっとする感じが、やっぱりとてもこの年代の少女っぽさになっていて良いのではないでしょうか、みたいな? なんだかそんな感じの一冊でした。でもやっぱり私は割と好き。