GOSICKⅣ -ゴシック・愚者を代弁せよ- / 桜庭一樹

あー、こういう方向に進んでいくのかぁといった感じなキャラクターミステリ第4弾。
Ⅲで感じたような、ヴィクトリカと久城のほのぼのとしたのやりとりを微笑ましく楽しむ余地は本筋ではなくなってくるんでしょうかね。今回は学園に昔住んでいたという錬金術師とその亡霊にまつわる殺人事件。そこに、学園自体の秘密と、ヴィクトリカの出生の秘密といった過去の事実が明らかになってきて、この先の展開を示唆するような感じで終了。過去の秘密、現在の事件、未来への布石がしっかりあって、なかなか良く出来ていると思います。序盤はいつもどおりな感じだったのに、途中からはちょっと重い雰囲気。事件のトリックはトリックの例題みたいな簡単なものをいくつか集めた感じで、カンのいい人はすぐに気付きそう。まぁ、それは毎回の事ですが。過去の秘密に関しては、ちょっと話が大きくなってきたぞという所。アブリルとヴィクトリカの初対面でのやりとり自体は微笑ましいのですが、普通の子と普通ではない子の差がくっきり描かれててちょっと悲しげ。久城を含めた三角関係もできつつ、戦争と運命の中で引き裂かれる男女の悲恋の物語になりかねなそうな雰囲気も漂わせてます。砂糖菓子〜みたいなのを書いちゃう人だから、どうなるんだろうなぁ。
満足度:B+