GOSICKs / 桜庭一樹

相変わらずイラストがいいなぁと思います。書き込みはやたらと細かいし、ヴィクトリカが目茶目茶可愛いです。
GOSICKシリーズ初短編集。元々は短編で出た作品らしいのですが。話はヴィクトリカと久城が出会うところからGOSICKⅠまでの間の話で、殺人や泥棒や留学生や怪談の謎を解いていく話です。大泥棒クィアランの謎を巡って話は繋がっているので、連作短編といえそうです。まぁ、いつも通り謎解きは小粒ですが、物語の方向性を決めるものであって、謎解き自体がメインのわけでは無いのでこのくらいで良いと思います。
それよりも時代背景にあって何となく古い感じを受ける文章や、ヴィクトリカと久城のやりとりの方が醍醐味。何となく全体的に読んでいて児童向け小説っぽい安心感があります。キャラや文章が3章くらいまではまだ完全に固まっていない感じなのですが、その後はいい感じにGOSICKの世界。特に書き下ろしの序章が良いです。ヴィクトリカと久城だけ見てれば微笑ましい話も、それぞれの事情を第三者視点で見ると悲しい話なんだなぁと。こういう背景があるからこそ二人の掛け合いが映える気がします。
次の長編が楽しみです。物語の行く末に暗雲が漂ってるのがなんとも不安な感じですが。
満足度:B