ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ / 滝本竜彦

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ (角川文庫)

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ (角川文庫)

青い。何のてらいもなくただ真っ直ぐに青いです。青春小説。
滝本竜彦の書くテーマとか、キャラクターの考え方には半分くらいすごく共感できるんだけど、もう半分くらいは全然さっぱりわからないっていうのがNHKにようこそ!を読んだときもあって、それはこっちを読んでも変わらず。
もやもやとしたなんだかわからない不安と焦りと怒りと、やりきれない不条理な現実と。そんなものを振り払うために、或いは乗り越えるために、闘う少女である雪崎絵理と平凡な高校生山本陽介は、「諸悪の根源」であるチェーンソー男と夜な夜な戦い続けます。意味の見出せない世界に意味を与えるために。そんなあいまいな感情がよく伝わってくるような気がします。
この感覚がわからなくは無いのにいまいちノリきれなかったのは、私にこういう激しい感情を持った高校時代がなかったからなんだろうなぁと少し思ったりしました。
満足度:B-