NHKにようこそ! 4巻 / 滝本竜彦・大岩ケンヂ

NHKにようこそ! (4) (カドカワコミックスAエース)

NHKにようこそ! (4) (カドカワコミックスAエース)

あんまりにあんまりな展開。救いが見えない…。
マンガ版はダメ人間のダメさをアッパー系自虐ギャグに落とし込んで、空転し続ける登場人物を複雑な心境で笑ってればいいのかと思ってたら、話はどんどん取り返しのつかない泥沼へ。
佐藤君、山崎、岬ちゃんとみんなダメで最低でどうしようもないものだから、話が進む方向もダメで最低でどうしようもなくて、自虐ギャグな側面が消えたとたんに直視に耐えないほどの痛々しさを発揮しています。傷つくことを過剰に恐れて何もできなかったり、目標を失って変なものを目標にしてみたり、独占欲から人を騙して服従させたり。先の見えない未来は真っ暗で、死ぬ意味すら見いだせなくて、もうどうにもこうにも。意味があると捉えたことは、あっという間に崩れ去る辺りが救い難い。それでも痛切さと鬼気迫るものは感じます。なんというかすべてが痛々しいです。
原作では岬ちゃんと佐藤君が支えあう形の一応のハッピーエンドだったような気がするのですが、岬ちゃんのキャラをこう持ってきてしまってはこの先どうするのでしょう。未来に光明がまったく見えないまま、この物語の着地点に注目したいです。
満足度:A-