Variante 4巻 / 杉基イクラ

Varianteヴァリアンテ04 (カドカワコミックスドラゴンJr)

Varianteヴァリアンテ04 (カドカワコミックスドラゴンJr)

救いがないというより、もしかしたらこれは作者にとっては救いだったのかもしれない、と思いました。
Variante4巻は相変わらずの鬱展開。少しだけ光があるように見せながらも、どこまでも追い込んで追い詰めて突き落としていく展開に唖然。ストーリーや組織、キャラクターの書き込みに関してはあまり優れた作品だとは思いませんが、マンガに狂気と激情を叩きつけたようなある種凄惨な感じを受けるのは素晴らしかったです。追い詰められて痛めつけられるアイコの悲鳴のような感情の流れが絵の力と相まって怖い。上手に作られたマンガもいいですが、こういう気持ちで描いたようなマンガも好きです。とにかく最後まで主人公を追い込む嗜虐性満点のマンガでした。悪趣味と言えばあまりに悪趣味。
ラストは感情が暴発してような感じで結局なにがなんだか良くわからなかったのですが、どこまで堕ちていっても、光は必ず残るみたいなメッセージでよかったのかな。もう少しこうすっと落ちてくるようなラストだともっと良かったのですが。
満足度:B+