涼宮ハルヒの分裂 / 谷川流

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

すっかり有名になったハルヒ最新刊。
キャラクターが頭の中であの絵で動いたり、あの声で喋ったりと、アニメ効果を実感するところでもあります。
話のほうは、今までの伏線を回収して大きな話を仕掛けてくる模様。ただ、分裂だけでは前編なので早く後編に当たるであろう驚愕を読みたいところです。
相変わらずなSOS団とはいえ、時間はしっかり流れる中でキョンたちは2年生に。そしてキョンの中学生時代の友人佐々木の登場から、一気に話が動きます。佐々木を中心とした宇宙人、未来人、超能力者を含む裏SOS団のような存在、そしてSOS団に新入生は入るのかといった謎から、さぁここからというところで次の巻へと引き。
タイトルが「分裂」というように、まさしく文字通りに分裂した訳ですが、この次元で分裂するのかという驚きも。なんにしても。この分裂に仕掛けられたものが全く見当がつかない以上、続きをおとなしく待つしかありません。とんでもない仕掛けがあるような気もしますし。
新キャラクターでは佐々木は魅力的に感じるものの、裏SOS団の面々はあまり好きになれなさそう。SOS団に感じるユートピア的な楽しさというものが感じられないのが、まさに対称的。そういう部分でもSOS団の特別さを感じます。キョンが何を選ぶかという選択に関しては、消失で一度結論が出ていると思うのですが、ここでもう一度蒸し返してきたのには何か理由があるのでしょうか。
なんにしても、とにかく続きを待つしかないです。
満足度:B