F1 カナダGP

荒れに荒れたサバイバルレースも、1人別次元だったハミルトンの見事なポールトゥウィン。
幾度となく入ったセーフティーカーも全てピット後という絶妙のタイミングで、まともに走ればコース上に敵はなく、存分の速さ、そして運までも味方につけた圧勝劇でした。およそ新人のレース運びじゃない。ハミルトン懐疑派だった私ですが、ここまで毎戦速さと強さ、そしてミスをしない安定感を見せ付けられたら、もうフロックだなんて言えなくなってきました。調子を落すフェラーリ勢の脱落が見えてきた今、今年のチャンピオン争いはタイトルホルダーvsゴールデンルーキーという燃える展開を見せてくれるのでしょう。
そしてそのタイトルホルダーであるアロンソは散々なレース。度重なるコースオフで順位を落とし、SC中の給油でペナルティ、そして最後には琢磨にオーバーテイクされるという踏んだり蹴ったりなレース。7位2ポイントはそれでもせめてもの救いになるのか。
表彰台は珍しい顔ぶれ2位は、ハミルトンには及ばないものの終始安定した速さを見せたBMWハイドフェルド。ここでは完全にフェラーリを凌駕していました。そして3位には久々のブルツ。SCにも助けられて1ストップ作戦が完璧にハマっていました。「振り向けばブルツ」は未だ健在か。
入賞圏では4位にコバライネン、5位にライコネン、そして6位に佐藤琢磨、そして7位アロンソ、8位ラルフ。やはりここで取り上げるべきは琢磨でしょう。スーパーアグリの軌跡のポイント獲得からたった二戦、しかも今度は6位3ポイントの快挙です。安定した速さを見せ、ライコネン、ラルフ、そしてあのアロンソをコース上でオーバーテイクした様子は素晴らしかったです。速さに安定感、そしてチームを引っ張るだけのカリスマ性、琢磨にエースの風格が出てきました。

それから触れなくてはならないのは、クビサのクラッシュ。正直、最初見た時は最悪の事態も想像しましたが、近年のF1マシンの安全性には頭が下がる思いです。なにより、クビサが無事ということでよかった。