とある魔術の禁書目録 1巻 / 鎌池和馬・近木野中哉

電撃文庫がガンガンでコミカライズされるという不思議な現象に、頭の上にはてなマークを浮かべていた私ですが、読んでみれば納得。これは間違いなく、少年マンガです。
超能力開発を目的として作られた学園都市で暮らす「無能力者」の少年上条当麻には全ての異能を無に帰すという「幻想殺し」の能力があって、その当麻が10万3千冊の魔導書を記憶する少女インデックスと出会い、魔術世界の争いに巻き込まれると言うお話。
主人公は落ちこぼれだけど特別な能力を持っていてお人好しで真っすぐで、ヒロインは空から降ってきて特殊な事情で狙われ追われていて、そのヒロインをなんとか救おうと主人公が追手に立ち向かうだなんて、そんなベタな展開が大変素敵じゃないですか。キャラクターは今風というか、ライトノベル的な味付けなのですが、やっぱりこれは少年マンガ
自分に関わろうとする当麻に向かって「地獄の底までついてきてくれる?」と言うインデックスに対して、当麻の出した答えなんかはカッコよすぎです。それでこそ主人公!
絵の方も、作者はあとがきマンガで弱音を吐いていますが、メリハリがあっていい感じ。何より当麻とインデックスが魅力的に描かれているのが良いと思いました。