鋼殻のレギオス 1巻 / 雨木シュウスケ・深遊

鋼殻のレギオス 1 (角川コミックス ドラゴンJr. 122-1)

鋼殻のレギオス 1 (角川コミックス ドラゴンJr. 122-1)

人気ライトノベルのイラストレイター自身によるコミカライズ。原作は未読。
汚染物質によって大地が荒廃した世界で自律移動型都市〈レギオス〉に暮らす人類。そのレギオスのひとつ、学園都市ツェルニを舞台に、貴族の生活を飛び出し、武芸の道を歩む少女ニーナを主人公にした物語。ニーナが隊長をしているのが第十七小隊という寄せ集め新生チームなのですが、このメンバーがアクが強くて良い感じ。ちなみに小説の主人公はこの小隊のメンバーで、ボケーっとしているようで戦闘ではとてつもない力を発揮する青年レイフォンらしいです。言われてみると、主人公っぽさを感じるような気がしなくもなく。
コミック版の方はニーナの物語。真っ直ぐで強情で、守りたいという思いはだれよりも強いけれど、力が足りずにうちひしがられる姿には痛ましさすら感じます。それでも、頑な過ぎて視野が狭くなる彼女を救うものが、普段は協調性の欠片の見せない小隊の仲間達というのがなんとも素敵。ただ、最初から小隊がある状態で始まる物語なので、このメンバーの間に何があって、どういう信頼の絆で結ばれているのかということがわからないのが惜しいです。ニーナのツェルニへの想いをはじめとするキャラクターたちが抱えている想いに関しても同様で、その分の積み重ねがあれば、このお話ももっと胸に響くものに感じられそうなのにと思いました。その辺りは、やはり原作既読者向けな感じです。
あと、絵が良かったです。割と独特な感じで、結構好きかも。