小学星のプリンセス☆ / 餅月望

小学星のプリンセス☆ (集英社スーパーダッシュ文庫)

ベタ甘直球ラブコメディ、ただし彼女は小学生（姿形的に）みたいな。
小学生の頃仲の良かった幼馴染の女の子が海外から帰ってきて、主人公は彼女を意識しまくりで、彼女は好意ダダ漏れで、世間の壁があって、誤解があって、素直になれない想いがあって、でも最後には愛のパワーで困難を乗り越えて結ばれるという、本当にドがつく程の直球ラブコメディ。
ただそこに、幼馴染の女の子が小学星のお姫様で、外見年齢が小学生だった当時から全く変わってないというもはや一発ネタに近い設定が加えられたことで、なんとも業の深い作品となっていました。
小学星の姫であるルリスの大人っぽさを持ちながら、子供っぽさがそのまま残ったような感じと、ストレートに貢に対して向ける好意は可愛らしいです。そして意識してない振りをしながら、やっぱり明らかにルリスに好意を向けている貢とのやりとりなどはニヤニヤが止まらない感じ。世間のロリコンに向ける冷たい目とか、ひとつの星のお姫様と地球の一庶民の身分の差とか、自分のことしか見えなくなってお互いにすれ違っている気持ちとか、そういった要素もベタですが効果的で、大変美味しいラブコメでした。
ただなんというか、貢の視点から、中身は17歳とは言え見た目小学生なルリスの純粋で子供らしい可愛さを描きながら、同時にそういう目で意識している面も描いていることで、その境目が曖昧になってなんだかこう読んでいて非常にアレな感じが……。
そんな若干の引っ掛かりを残しつつも、ニヤニヤさせてくれる良質なラブコメだったと思います。ほら、ルリス可愛いしね！