- 作者: 遠藤達哉
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/09/04
- メディア: コミック
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4編が収録されているのですが、連載までが本当に長かったのだなと思わせるくらいに昔の作品が多くて、それがああいう形の作品に結実したかと思うとちょっと感慨深いものがあったり。
とはいえ、初期作品集ということで話運びや台詞回しに関してはちょっとぎこちない部分も多く、絵的にも荒さがあるので、単純に完成度でみてしまうとちょっと苦しい面が。ただ、その中で光る闘う女の子への愛はこの作者らしさなのかも。それから、銃器と麻薬が出てくる話が好きなんだろうな、とか。
そんなキャラクターとしては「PMG-0」のタニアが良かったです。サボってばかりでいい加減な女銃士なのですが、凄惨な過去を背負い、その上で語る言葉と奮う力は格好が良く魅力十分。可愛らしさの中に潜んでいる何かみたいなものは、「TISTA」にも繋がっているのかなと思います。ベクトル的にはまったくの逆方向を向いてはいるのですが。話的にも一番新しい作品だけあって、「PMG-0」が一番面白く感じました。他の3編にも通じるものですが、「守るための力」の少年漫画らしさが良い感じです。
あと、表紙の絵が大変素敵。こんな絵も描く人なのかとちょっとびっくりしたり。