09-11-3

F1の最終戦アブダビGP、小林可夢偉の走りに驚かされました。
1ストップ作戦で入賞するためにやらなければならなかった全てのことをミスなくこなしての6位入賞に、あと一歩が届かないで活躍できなかったこれまでの日本人ドライバーの壁を破れる可能性を見たような気がします。願わくば、来年もトヨタのシートに座って、この活躍がフロックではないことを証明して欲しいです。
それにしても、今期途中出場のドライバーたち(リウッツィグロージャンアルグエルスアリ、バドエル)が厳しい成績しか残せない中、2戦目で真正面からチームメイトのトゥルーリと渡り合ってその上に来たというのは本当に凄いこと。ラスト数ラップ、自己ベスト連発でつめよる7位トゥルーリと、それに対して自己ベストで応じて近づけない6位可夢偉の争いは、順位を超えた意地のぶつかり合い見たいなものが見える、接戦ではないけれど良いバトルでした。
それ以前にもスタートでライコネンをかわして1ストップ勢の先頭に立ったこと、2ストップ組ピットインのタイミングに前に戻ってきた重い状態のバトンをきっちりとオーバーテイクしたこと、軽くなるに従って順調にタイムを上げて行ったこと。正直、日本人だという贔屓目を除いても、2戦目のドライバーがこれだけの仕事をこなせば新しいスターの誕生を予感する人は大勢いると思います。国際映像も1時3位を走行していた可夢偉を映し続けていましたし、世界へのアピール度も十分。このレースが、GP2での低迷という崖っぷちから新しい才能を持った日本人ドライバーが駆け上がった記念すべきグランプリになることを、祈っています。